松の葉の有用性 - その利用法と栄養

サバイバルにおいて、自然の植物を利用するというのは大変に重要なことである。

何も手にしない状況では自然物以外に使えない場合だってあるし、装備があったとしても、足りないものはどこかからもってくるか作るしかない。そういったとき自然の植物から資源を得るというのは重要である。

そして、同時にいえることは、これらの植物は人間に利用されるために存在するのではないということだ。ものによっては触れるだけでかぶれたり、ひどい場合では毒で命が危ない場合もある。食用にできるかとなると、確かな知識がないと危険で慎重な判断が必要とされる。

よって、植物の利用、特に食用となると、できるだけよく知った植物を利用するのにとどめておくのが良いだろう。

そのうちでも、あまり植物の知識がないものでも判別しやすいものに松がある。松の葉は大変特徴的であり、遠くからその姿を見ても松であると判別がつきやすい。そして、この松は大変に有用な植物であるのだ。

松はその木、それ自体が樹脂を多く含む。木にできた傷から出る樹脂だけでなく枝や根にも樹脂を多く含み、燃やすと明るく燃え上がる。松明という字のごとく、松は明るく燃える。また、その実は食料ともなる。

ただし、実は食用に品種改良されたものでなければ小さく、また時期によっては得られない。食料として有用なのは、じつは葉のほうである。松葉は針状の特徴的な形をしているが、これが実は多くの栄養素を含んでいる。

青々とした植物に多く見られるようにビタミンCを多く含み、他にもビタミンAや各種ミネラルを含む。また、意外に思うかもしれないが、糖質を多く含み、いくばくかの脂質とたんぱく質を含む。

はっきりとした数値を出しているところが多くないので方々から集めてきた数値であるが、下のように栄養がある。


栄養成分(乾燥重量100gあたり)
 エネルギー  400kcal
 たんぱく質  6g
 脂質  7g
 炭水化物  82g

これは乾燥重量であるから、葉に含まれる水分によって大きく実際に取れる栄養量が変わるが、大体で1/10の量を見積もればよいだろう。あまり大きな数字ではないが、腹の足しにはなるし、ビタミン類の補給だけでも十分な効果である。

また、松葉を煎じてお茶として飲むというのもある。これは良い使い方で、ビタミンやその他栄養の補給の意味合いもあるし、水を沸かして飲むときに多少なりとも味を付けて飲みやすくする効果もあるからだ。

松は常緑樹であり、その葉は年中通して得ることができる。そして我々にとって身近で見分けやすい。まさにサバイバリストにとって宝のような木である。

いわゆる非常食はどんなときに必要か

非常食と呼ばれる食料は(その範囲は考え方によって変わるが、災害用品として売り出されている物と考えると)最大限に効力を発揮するシーンはさほど多くは無い。

たいていの場合では家庭に良くある保存の利きやすい食品を利用すれば事足りるし、家屋が無事であれば冷蔵庫の中の食品から利用すればさらに長く補給無しで生活できる。

で、あれば、非常食は何のために必要なのか。非常食の機能から考えてみよう。

非常食は第一に簡便である

災害用非常食とされているものの多くは乾燥食品で、水でもどすものが多い。アルファ化米や乾燥もち、フリーズドライ食品などある。これらは水を加えるだけで食べられる状態になるが、アルファ化米や乾燥もちの類は水でもどしても若干固いことが多く、食味はいまいちのことが多い。

最近では味のバリエーションも増えて、技術の進歩から食感と味も向上してはいるが、やはり固形物の乾燥食品は元のままの味と食感を保つことは難しく、あまり過大な期待を持つことはできない。

また、缶詰も非常食として災害用品などで売られているが、無調理で食べられ頑丈である。しかし、缶詰は重量があり扱いが難しい。(参考:私が備蓄で缶詰を重視「しない」理由

調理する間も無いくらい大変なときに非常食

それではどういうときにこれらの食品が効力を発揮するのだろうか。これらの食品の設計のされ方を見ると良くわかる。つまるところ、調理の余裕の無い緊急時に食べるというものが非常食なのである。

非常食の場合、調理はせいぜい水を加える程度で、ほぼ無調理で食べられる。何もかもが使用不能になっている状態で食事をするために準備をするものであるからそういう作られ方をしているのである。

大事な食料を損なわないために頑丈である

また、災害用非常食として作られている物は(保存性の向上のためか)たいてい頑丈に作られている。一般の食品はコスト上の問題と開封のしやすさからパッケージはさほど頑丈ではない。たとえば袋入りのスナック菓子は結構日持ちがするが、強く上からたたくと袋がはじけてしまう。これでは手荒に扱ったときに食品がだめになってしまう可能性が高い。

非常食はその点でパッケージが強いことが多くちょっとの衝撃では破損することがない。レトルトパックのようなアルミ張りのプラスチック包装であったりする。また缶詰はそれそのものが頑丈である(ただし、イージープルトップタイプの缶詰は開く部分に衝撃を受けると弱い)

この頑丈さはたとえば非常持ち出し袋に入れたときに手荒に扱っても大丈夫ということであり、自分の命以外に意識を向けることが難しい非常時においてその後の活力の元となる食料を守るために重要なことである。

食料に関する対策の最後の砦

つまるところ、非常食は他の食品が利用できる場合には出番は無い。もっとおいしく栄養が良く価格が安い食品は多くある。保存期間についても、日常で消費し入れ替えられるものであればアドバンテージは少ない。しかしながら、それらが失われるような甚大な被害をこうむったときに、非常食は最後の一手となる。非常用の持ち出し袋に、また住居以外の倒壊しても取り出せるどこかに備えておくことで、非常時の食料不安を払拭し、生存のための活動をすることができるだろう。

電気無しで米を炊くこと - 鍋での炊飯

日本人は米を主食として食べる。よって、家庭にはたいていの場合米がいくらか備蓄とまで言わないレベルでも保管されているだろう。しかしながら、現代では炊飯器が普及しており、個々人の炊飯技術自体はほとんど無いといってよいまでの状況になっている。

災害時などで電力が使用不能になったとき、家庭内に置いてはプロパンガスであれば通常のコンロが使用可能であるし、無くてもカセットコンロを用意しておけば、ガスによる調理は可能である。そういったとき、冷蔵庫内の痛みやすい物から順次調理し食べていくことになるのであるが、主食である米を調理する経験を普段から時たま行っておくとよいだろう。

昔はガスコンロでもって炊飯をしていたわけであるし、もっと昔ではより難しいかまどで炊飯をしていたわけであるから、実際可能なのであるからして、少しばかり練習すればそこそこのレベルで炊飯ができるようになる。

ひとまずガス火で練習するのがよいと思う。いきなり七輪や焚き火などでの炊飯はレベルが高すぎてうまくいかないと思われる。炊飯器の炊飯は、電気による安定した熱量とコンピュータによる綿密な制御による物であれだけ安定した炊飯ができるのであるが、火で炊飯する際には人間の感覚をもってして、炊飯の状況を見極める必要があるので、火力の調節を気にしないでよいガスの火で慣れておく必要があるからだ。

下の動画ではキャンプなどアウトオア用のガス(いわゆるOD缶)で炊飯しているがカセットコンロや通常のガスコンロでも練習になる。

鍋で十分に炊飯ができるようになれば、火を熾せば炊飯可能になる。炊飯自体に慣れれば残るは火力の調節の問題になるので、ガス火で炊飯に慣れてしまえば、あとは焚き火のスキルの問題になってくる。

なんにせよ、米はそれだけで保存のきく食料であり、これを災害時に活用できることは大いに利点があるからその調理、炊飯の技術は持っておきたいところである。