サバイバルの基本的な3つ

苛酷な状態における生存を考える、つまりサバイバルを考えるとき、完璧で最適な答えは存在しない。その個々の状況によって求められることは変わってくるため、場合によっては余分であったり過剰であるものが、他の条件では不足であったりするものである。

一方で、サバイバルの基本というものは存在する。人間の生物的な機能の限界から必要最低限の整えなければならない環境があるからである。サバイバルについて調べたことのある方はご存知と思うが、いわゆるサバイバルの3つの3というものはそれに立脚したもので、生存のために早急に必要とされるものを示したものだ。

3つの3とは、3時間何の保護もなしに低温・高温・風雨にさらされると危険、3日水の摂取ができないと危険、3週間食物が取れないと危険というものである。これは環境の良し悪しや活動のレベルによってはさらに短くなるし、人間の生物的な構造からくる限界といっていいので訓練などでどうなるものでもない。したがってこれらへの対処が基本的なサバイバルの方針になるわけである。

suvtechでもそれら3つの基本についていくらか解説してきた。概要的なものもあるが参考にしてもらいたい。

1つ目はシェルターである。シェルターは身を守るもの、ここでは特に風雨と寒さ、直射日光から守るもの全般を言う。シェルターの重要性についてはsuvtechでもたびたび取上げている。

体を守るシェルター

サバイバルシートを使ったシェルター

また、身体を守るという点で衣服もまたシェルターということもできる。環境に適応する装備として衣服を良く考えることは重要なことである。

最小のシェルター

2つ目は水である。高度でしかし単純な構造の浄水器や、ありあわせのもので浄水器を作る方法などがある。

水が無ければ何も生きられない

テクノロジーにより安全な水を得よ – 浄水器

水を得るために - 簡易浄水器を作る

3つ目は食料である。基本的に食料は備蓄している方がよいが、どうにもならないときには木の実や葉などで栄養を取ることも可能だ。

優先度が低くとも人は食物を必要としている

乾パンのススメ

古来からの食料 - 栗(柴栗)

ここで挙げたものは基本の単純な技法や方針を主としている。いざというときには応用してその場に適合するよう工夫してサバイバルを乗り切って欲しい。

私のエマージェンシーパック その6

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CIMG3097非常時といえばラジオでの情報収集というイメージがあるが、私もラジオをいれてある。またこれは手回し発電式で、ラジオだけでなくLEDライトと携帯電話の充電が電池無しでできるというものだ。ほどほどの多機能で手動の発電機つきなので非常時には重宝しそうだが、発電する際に大きな音がするのと、ラジオを聴きながら発電するのが困難であること(発電に伴う電磁ノイズが原因で聞き難くなる)、また少しばかり大きいのもあって代替できるものを探している途中である。

CIMG3099細々としたものもいくつかあって、手回し発電ラジオの付属品(黒のコネクタやコードがそれ)や、ファイヤースチールに付属のサバイバルマニュアル、またウォッカを燃料として利用するときにスポイトとしてつかうストローなどもいれてある。かさばらず軽いなら何でもいれてみるという姿勢でやっている。

CIMG3103はっきりと役に立つというものもいれてある。安全ピンや針と糸(中央円筒ケース)は基本で、棘を抜くために毛抜きやサバイバルようの釣り針とテグス、ゴムバンド、また耳栓等もいれてある。耳栓は主に日常での利用を想定はしているが、避難所などでは重宝するかもしれない。また、用途の固定されてないものとして、アルミホイルが入っている。これで皿を作ればアルコールを注いでアルコールランプとすることもできるし、また何らかの道具を巻いてしまえばその部分の防火などもできる。きらきらしているので注意を引くときにも使えるかもしれない。これらは全て1つのケースに入っていて、日常でも使いやすいようにしてある。(耳栓と毛抜きと安全ピンは使う機会も多い)

CIMG3101最後ではあるが、サバイバルキットでこれを含めるのは私だけなのではないかと思うものがある。それがこの耐水サンドペーパーである。番手は#320、#600、#1200を用意してある。これを用意するのは刃物を研ぐためである。刃物はバッグにはツールナイフが1つ入っているが、この刃が鈍ってしまえば他に頼るものは無い。ツールナイフにはダイヤモンドやすりが付いているのであるが、ツールナイフのヤスリでツールナイフのナイフを研ぐことはできないので耐水サンドペーパーを用意しておくことにした。

耐水サンドペーパーは水と平坦な面があれば刃物を研ぐことができ、また砥石と違って薄く軽く曲げることもできるので便利である。刃物研ぎだけでなくほかの磨き用途にも使うことができる点でも優秀である。

 

これで一通りの紹介ができただろうと思う。どうであっただろうか、日常にもいくらか便利な品を優先的に選び、またサバイバルに必須なものも押さえてあるつもりである。もちろんこのパックもいまだ改良の余地はあるし、バッグによっては多く装備品を持ち歩けるのでもっと豪華にしてもよい。サバイバルの準備に基本はあるが絶対はない。自由に自らの必要なものを用意していただきたい。そのとき私のものがいくらかでも参考になれば幸いである。

私のエマージェンシーパック その5

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CIMG3085前回はパックに含まれる医薬品について紹介したが、食用のものでも場合によっては医薬品的に扱われるものもある。私の鞄にはそうした食品もいくつか入っているので紹介しよう。

CIMG3090まずはサプリメントだ。サプリメントを食品と言い切ってしまうのは抵抗があるが、スーパー等で購入できる食品の分類である。サバイバル時の抵抗力を低下させないのと、日常的に飲むものということでビタミンCのサプリメントを常備している。

CIMG3096今度はきっちり食品である。ラムネは大きくわけてブドウ糖のものとブドウ糖でないものに分けられるが、サバイバルを考えるならブドウ糖のものがよい。ブドウ糖は脳の活性化に役立ち、吸収がよい。ブドウ糖自体は医薬品のパックに含めてあるが、このラムネ菓子が手軽で日常にとるにも良いのでそのままいれてある。購入する際はブドウ糖を含むことを確かめてから購入して欲しい。ちなみに写真のものは森永のラムネで当然ブドウ糖が使われている。

CIMG3094糖でいえば、氷砂糖も入っている。氷砂糖はショ糖、つまり砂糖の結晶であるが、これがなかなか使い勝手がよい。そのまま口にいれて飴のようにしてなめて口の渇きをごまかすこともできるし、コーヒーや紅茶などに入れるグラニュー糖の代わりにも使うことができる。あまりおいしくない水を甘さでごまかせるのでサバイバルにも役立つだろう。また少ないがカロリー源ともなる。また砂糖は塩と同じように賞味期限がない、つまり濡れたり汚れたりしなければかなりの長時間保存できるから備蓄品としては優秀であるといえる。

CIMG3095飲料でいえば、スポーツ飲料(ポカリスエット)の粉末もいれてある。これは適切な濃度に薄めればかなり有効な経口補水の手段になるが、しかしながら水を計量する装備は入ってないからどうしてもいい加減な分量となる。なのでこれは脱水症の手当てというよりは、水を飲みやすくするためといって良いだろう。まぁ、脱水に対して効き目が特効的とはいえないだけで、効果がないわけではないから水分補給するときにいくらか効果的に水分摂取できるだろう。

CIMG3107最後にアルコールである。蒸留酒の使い道は多くあるが、それが最高度の度数を持つスピリタスウォッカならなおさらである。スピリタスウォッカの有用性については依然述べたが、飲用にしてもいいし消毒にもつかえる。また燃料としての利用もかなり有効であり、着火用に使用するときはファイヤースチールの火花で簡単に火がつく。またこのウォッカをいれているスキットル(フラスコといわれることもある)は、小さな水筒であるので、アルコールを使いきった後は水筒として水をいれてもよい。また金属製なので火にかけて湯を作ることもできるだろう。

 

口にすることのできるものはこの程度であるが、あとすこし、いくつかの小物と非常時の音もラジオが残っているので、次回はそれを紹介するとしよう。