水の備えが、浄水が必要だ

生命の基本は水である。地球上のほとんど全ての生命体は活動の維持に水を必要とし、それは人間も例外ではない。したがって生存のためには水の確保が重要であることは明白である。しかしながら、地球上の水で人間が安全にそのまま飲用可能なものは極めて限られている。

水道は止まるものと考えなくてはならない

先進国に暮らしていると忘れがちになることなのであるが、水の飲用によって感染する病気というのは多い。アメーバー赤痢やA型肝炎、コレラなど過去には日本でも数多くあったこれらの病気がほとんど見られなくなったのは浄水場と上水道の発達によるところが大きい。すなわち公共施設と社会システムの補助があって初めて安全な水を手軽に手に入れられているのである。ありがたい話であるが、こういう大きなシステムはメリットも大きいが災害時には停止する可能性も大いにある。

地震時には水道管の断裂などで水道システムは停止するし、浄水場や送水ポンプの故障等があれば水道管が無事でも水の供給は停止する。また電力の停止、浄水用の薬剤の供給停止、水源の汚染などがあっても給水は不可能になる。現代の水道システムは安全な発達したシステムであるがゆえに非常時には停止し、復旧には多くの人手が必要である。

自分で水をきれいにする方法を

そういうわけであるから、断水した場合に水を確保する方法を持たなければならない。大まかには2つ、貯水するか浄水するかである。貯水は飲料水をペットボトルや缶で保存するものや、生活用水をエコキュートや電気温水器に貯めたり、雨水を雨水タンクに溜めたりするわけである。どうしても重く場所を取りがちになるため、目安として1週間という備蓄量になることが多い。一方、浄水の備えであるが、これは浄水器や浄水剤である。浄水剤も浄水器も、その処理をした水と比べるとはるかに軽量であり、小型であるから当座の水だけでなく浄水用に備えておくと水源の確保できる限りはかなり長い間水を利用できる。

浄水剤と浄水器はシーンによって使い分ける

浄水剤は1錠で1リットル浄水できるものや、1匙でコップ1杯など少量の飲用であることが多く(大規模用の装置はあるが電力が必要なことが多いし、そうでないものも薬剤の扱いが煩雑である)携帯用であることがほとんどであろう。浄水器は携帯用から運搬可能な中型、設置式の大型までいろいろとあるが、小型の携帯型でも7000リットル浄水可能だったり浄水可能量が多いものが数多くある。それぞれ重量や価格、スペースなど一長一短であるので適材適所となるようにするとよいだろう。浄水剤は錠剤一粒からパッケージされているのでとにかく省スペースで持っておけるから、水を入れる袋型の水筒と一緒に普段持つ鞄の中に。また浄水器は大型のものを家の倉庫や納戸、小型の浄水器を非常用持ち出し袋などにいれるなどである。

水源の確保もお忘れなく

水自体の蓄えと浄水手段の確保、どちらもやれば水の不足する恐れは大きく退くことだろう。しかし、当然のことであるが、水源が無ければ浄水も仕様が無い。普段から用水路や川、池や防火槽など水の確保できそうなところを意識してチェックしておこう。水を制するものがサバイバルを制するのである。

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ペットボトルで水を沸かす

人間が生きるためには水が必要だが、その水はいつだって人間に優しいとは限らない。目に見える水害だけでなく、目に見えない細菌や微生物の汚染によっても水は人間に牙をむく。であるから、水を得る際にはその安全を確保するために浄水をする必要があるわけである。

その方法には例えば浄水器を使ったり、浄水剤(殺菌剤)を使うなどがあるわけであるが、一番原始的で、しかし効果が高いものに煮沸という方法がある。つまるところ湯を沸かすというわけであるが、高温によりほとんどの病原生物が死滅するうえに冬季では温かな湯が得られるという利点もある。

しかしながら煮沸するには鍋が必要である。アウトドアなどでは十分装備を持っているから鍋は持っていて当然であるが、サバイバルではもしかすると持っていないかもしれない。そうするとそこにあるものでどうにかこうにかやりくりする必要がある。まずは金属の缶があればそれで湯が沸かせるが、それもなければ可燃性のものでもかまわない。薄くて水を通さず器の形状であれば理論的には十分である。ペットボトルで実践している動画を見つけたので紹介しよう。

内部の水が容器を冷やし、沸騰中でも100℃を大きく超えないために着火・発火・燃焼をしないから、水の煮沸に利用できるのである。他にも紙コップや木の皮をカップ上にしたものなどが利用できる。ただし、注意するべきこともいくつかある。水に触れてない部分は冷却されていないので燃える可能性があること、薄すぎると沸騰中に水蒸気の気泡が出来た場所が燃えて破れること、プラスチックでは100℃以下でも柔らかくなり容器の形が保てなくなる可能性があることなどである。実際動画中では、水を出来るだけいっぱい入れて上部に火がかかり過ぎないように気をつけていたし、ボトルの変形が見受けられる。

化学的考察と創意工夫で一見不可能なこともやり遂げられる良い例だと思うが、もちろんちゃんとした道具があるにこしたことはない。鍋を用意した上で無くても何とかなる知識を持つことで、一段上の心の余裕を得ることが出来るだろう。

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生命活動の基本 水に関する記事まとめ

人間の、いやほとんど全ての生物は大部分が水といっていい。かつて海で生命が誕生し今に至るまで、生命活動は水の存在を前提としてなされてきた。生命の基本がみずであるから、したがって生存のための行動、つまりサバイバルの基本もまた水であることは必然である。

日本国内では水は豊富であり、水源に困ることは少ないだろうと思われるが、その水をそのまま利用することができるかはわからない。

目の前にあって使えない水 あがけば何とかなる水

見つけた水源がどうしようもない汚染で利用不能な場合でなければ、そこから何とか水を利用可能な形に持っていき、飲料水やその他生活用水を確保していきたいものだ。その為に事前にいくつかの装備や薬品があれば安全な水を比較的容易に手に入れることができる。

テクノロジーにより安全な水を得よ – 浄水器

色々な種類の浄水器を考える

大量の生活水をどのように確保するのか

次亜塩素酸浄水剤の使い方

これらの方法は、おおよそ水道局などが浄水場で行っていることに近いことを持ち運べる機材で行おうというもので、正しく行うことができれば安全度は高い。しかし、こういったハイテクノロジーの産物は事前に準備しておかなくてはならず、装備を破損・紛失したり、薬剤が尽きてしまえば実行不能に陥る。一方で、もっと原始的な方法であればその場の資材で作り出すこともでる。高度な道具が無いときにはこれらの方法で水を得ることもできる。

水を得るために - 簡易浄水器を作る

焚き火で湯を沸かす

地面での湯沸し

さて、飲用可能な水を得て、それで終わりではない。その場で利用する以外の水については、現代では水道が発達しているからさほど必要性が薄れているが、水を得た後にそれを利用するまで運搬する必要がある。そのとき利用するのは、古代から現代まで存在している水筒である。シンプルな機能ゆえに昔からほぼ形態が変わっていない水筒であるが、現代では素材の変化でより利用しやすいものになっている。サバイバルにおいては保温機能の高いものではなく、保温能力はなくとも軽量で耐久性の高いものであることが重要だ。

軽くて頑丈プラスチック水筒

極軽量でコンパクト!ぺらっぺらな水筒プラティパス

筒型は竹筒の水筒から、プラティパスなどの袋型は皮袋の水筒からそれぞれ進化したものということもできる。

水の確保と無害化、運搬は不可欠な水分の安全な摂取に欠かせない。生命の基本である水を努々おろそかにしないように気をつけよう。