非常用品に長袖長ズボンを

暑い夏、熱中症に非常に警戒が必要なことはもはや私が述べるまでも無いくらいに各所で注意喚起がなされている。水分と塩分の補給や涼しい服装などが標準的な対応として挙げられるだろう。水分と塩分の補給はサバイバルでも重要で、いくらか述べてきた。おおよそ同じ対応をサバイバルでも行うものである。しかし夏の服装はいくらか異なる。

夏服としてはおおよその方々のイメージにある様に軽装、薄着がメインである。半袖であったり半ズボンなど被服面積の少ないものが多くなりがちである。なるほど室内ではそれは十分に正しいのであるが、屋外ではもう一歩進めて考えなくてはならない。

屋外と屋内の違いはいくつかあるが、第一は太陽光の量の大小である。屋外では屋内よりはるかに多い太陽光を浴びることになる。直接肌に太陽光が当たれば日焼けの原因となる。これはすなわち熱傷であり、体力の消耗を誘発することにもなる。また、虫や植物の存在もそうである。屋外、特に森や草むらになると毒虫やかぶれる植物が多く存在し、場合によっては命にかかわることもある。そして直接的に外傷につながる鋭いものも屋外では多い。

これらのものから身を守るのには覆ってしまうというのが一番いい。すなわち服で覆うということになり、森では長袖長ズボンがセオリーということにもつながってくる。まずもって服は石や砂、枝や草から身を守ってくれるし、毒虫にも刺され難くなる。これはよく言われることであるからご存知の方も多いだろう。また服には暑さから身を守る力もある。

正確に言えばこれは日光から身を守るための機能といったほうがいいだろうか。服は断熱効果で体温を逃げ難くするものであるが、逆に外部からの熱が入り難くするものでもある。太陽からの熱を服の布地が受けることで直接体に熱が来ないようにするということもあるのである。例えばアラビアの地方で頭から足先まで布で覆った人々が見られるが、あれは砂嵐と日光から身を守るための服装である。太陽光の多く照りつける状況では肌をさらけ出しているのはあまり有利なことではない。

そういった理由から、真夏にも長袖と長ズボンは有効な装備である。薄手のものでも上下一揃え備えておけば濡れたときにも、薄着過ぎるときにも使え、また寒い時期には着ている物に重ね着して防寒に使用することも出来る。袖はあって困ることは少ないけれども無いときにつけるのは大変なので、備えるときは長袖シャツと長ズボンを考えて欲しい。