工作の大いなる味方 - ダクトテープ

アメリカの工作についてみていると頻繁にDuct Tapeというものが出てくる。このダクトテープは、粘着テープの一種であり、強い強度と粘着力そして耐水性をもつテープである。典型的には銀色のテープなのだが本場のアメリカでは(もしかすると、本物のDuct Tapeではなく類似品かもしれないが)たくさんの色や柄があり、工作や修理をする人たちに大いに好まれている。

さて、ここでサバイバルの話である。サバイバルではその場であるもので間に合わせのものを作る、もしくは壊れている物を応急的に修理して利用するということがある。修理や製作には色々な手法があるわけであるが、その最も簡単な方法の一つが、テープで張り合わせたりぐるぐる巻きにしてしまうという方法である。例えばバケツが割れたとき、その両面を防水性のあるダクトテープでふさげば利用可能だし、またビニールシートを張り合わせて簡易のテントを作ったりすることもできる。材料を用意し、工夫を重ねれば靴を作ったりすることも可能だ。

サバイバルでは不足を補う努力が不可欠である。修理や工作に親しんでおくことと同時に、このような便利な資材を持っていれば活動の助けとなることは間違いない。

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ペットボトルで水を沸かす

人間が生きるためには水が必要だが、その水はいつだって人間に優しいとは限らない。目に見える水害だけでなく、目に見えない細菌や微生物の汚染によっても水は人間に牙をむく。であるから、水を得る際にはその安全を確保するために浄水をする必要があるわけである。

その方法には例えば浄水器を使ったり、浄水剤(殺菌剤)を使うなどがあるわけであるが、一番原始的で、しかし効果が高いものに煮沸という方法がある。つまるところ湯を沸かすというわけであるが、高温によりほとんどの病原生物が死滅するうえに冬季では温かな湯が得られるという利点もある。

しかしながら煮沸するには鍋が必要である。アウトドアなどでは十分装備を持っているから鍋は持っていて当然であるが、サバイバルではもしかすると持っていないかもしれない。そうするとそこにあるものでどうにかこうにかやりくりする必要がある。まずは金属の缶があればそれで湯が沸かせるが、それもなければ可燃性のものでもかまわない。薄くて水を通さず器の形状であれば理論的には十分である。ペットボトルで実践している動画を見つけたので紹介しよう。

内部の水が容器を冷やし、沸騰中でも100℃を大きく超えないために着火・発火・燃焼をしないから、水の煮沸に利用できるのである。他にも紙コップや木の皮をカップ上にしたものなどが利用できる。ただし、注意するべきこともいくつかある。水に触れてない部分は冷却されていないので燃える可能性があること、薄すぎると沸騰中に水蒸気の気泡が出来た場所が燃えて破れること、プラスチックでは100℃以下でも柔らかくなり容器の形が保てなくなる可能性があることなどである。実際動画中では、水を出来るだけいっぱい入れて上部に火がかかり過ぎないように気をつけていたし、ボトルの変形が見受けられる。

化学的考察と創意工夫で一見不可能なこともやり遂げられる良い例だと思うが、もちろんちゃんとした道具があるにこしたことはない。鍋を用意した上で無くても何とかなる知識を持つことで、一段上の心の余裕を得ることが出来るだろう。

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冬には長い火を

冬になると現代の文明、その真っ只中に居ても暖かさが恋しくなる。ましてサバイバルにおいては暖かく保つというのはどれほど心理的、肉体的に重要であることか。冬の寒さは生きるための暖かさについて思いをはせるのにちょうどよいだろう。

さて、サバイバルで暖をとるならば、すなわち火を焚くということになろう。焚き火というのは薪(たきぎ)に火をつけるだけとはいえ、自然物を相手にするもので、画一的な燃料を利用するものとは違う奥深さ、複雑さがある。そして、均一ではないその燃料の性質を利用することで、目的を達成することも出来る。いわゆるlong fireというものがあり、これは薪そのものの性質を発揮させることが必要な焚き火である。

long fireは直訳すると長い火である。これは、大抵のところ構造的に横に長い火であると同時に、時間的に長時間燃え続ける火であるという2つの意味を持っている言葉である。方式は色々あって、積み上げ方を工夫したり、土を乗せてみたりと本当に様々工夫するのであるが、今回は使う燃料の太さと長さをうまく使う、それだけの方式の動画を紹介しよう。

さて、動画中の解説は風で聞き取れないところもあるが、つまるところやっていることは少しずつ火を大きくして、薪を太くする焚き火である。横長の炉を太い木を枠にして作り(太ければ太いほど燃え難いので燃焼を制限するのに役立つ)、その中で焚き火を開始する。この焚き火を少しずつ勢いを強めてより太い薪をくべていくのだ。太い薪はその外周から燃えていくために長時間燃え続ける。よって十分に太い薪に着火することが出来れば一晩中燃やし続けることも可能なのである。