松脂を集める

松脂(pine resin)は松の木から採れる樹脂である。大なり小なり木というものは樹脂を含んでいるのであるが、特に松は樹脂成分を多く含み油の多い木として知られている。

この樹脂は揮発性のあるテレビン油と天然樹脂であるロジンを主成分としているが、これらは加熱すると柔らかくなり、温度によっては液状となり、冷えるとまた固まるので接着剤として使用できる。また、点火すると良く燃えるので燃料としての使用もできる。

この松脂はもちろん松の木から得られるのであるが、その方法は木を傷つけるものである。ゴムの木からゴムをとるのと同じように、木に溝を切り込み、そこから流れ出る樹脂を取るのである。

しかし、一方で、自然に松が傷つくこともある。その場合、樹脂が流れ出て、その揮発成分が蒸発した少し硬いかさぶたのようになっている樹脂を採集することになる。こういった手法は自然の木を積極的に傷つけることがないのでそうした採取をする人も多い。

こうして得た松脂は加熱して精製したり、他の材料を混合したりして様々なことに使われるのである。