ナイフで木材を割るバトニングという手法

サバイバルでは焚き火の技術が大事であることは度々話題にしてきたが、その焚き火のためには燃料が不可欠である。それは燃料として製造されたものだけでなく、自然の中では木の枝や幹であったりするし、街中では家具や建材として用いられている木材であったりする。そういった燃料は焚き火で使うにはいささか不都合なものもあり、利用するにはコンディションを整えてやらなければならない。

よくあるのは薪として使おうとする木が太すぎるというものである。太い木はそれ自体の熱容量や表面積の問題があって火がつきにくいという性質があり、焚き火を開始するときには細いものから順にくべるという原則がある。このため太い木は細く割って使用する必要がある。いわゆるところの薪割りである。一般的に薪割りは斧でもって豪快に行うイメージがあり、またそれは実際に正しく効率的なのであるが、しかしながらサバイバルの場では十分な道具が得られるとも限らない。

薪を割るには斧がいいが、しかし斧がないときにはナイフを使って割る方法がある。バトニングとよく言われるこの方法は、ナイフを他の木材で叩き込み、押し込んでいって割るという方法である。どのようなものかは実際に見たほうがわかりやすいだろう。幸いなことに、日本語で解説してくださっている方が居るので参考にしてもらいたい。

この動画でも注意しているが、バトニングはナイフを棒で叩き込むという、いささか乱暴な手法であるのでナイフへの負荷が大きい。ナイフはサバイバルの基本の道具で、貴重なものであるから、失うことのないように気をつけて扱ってほしい。

小さなナイフでも工夫をすれば色々なことが出来る。大きな道具を用意するのも重要だが、知識と技術で不足を乗り切れるようにもしておきたいものである。

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冬に過ごすシェルターを作る

同じようなものの紹介を前年にもやったような気もするのだが、やはり冬のサバイバルの一大関心事は寒さへの対策である。焚き火での暖房やシェルターの構築が生死を分けることとなるため、それらについての知識が重要となることは明らかである。

さて、シェルターを作るといっても各種シートを用意して作るものや、本格的な構造物を作り上げるものなど様々であるが、今回紹介する動画では自然物を使って一人が横になれる程度の簡易的なものである。簡易的ではあるが、防風には十分であり、焚き火を併用すれば十分に寒い冬でも通用するものである。

ここでは柱となる杭を二本、地面に突き刺して立てて梁をそこに渡し、そこに棒を立てかけることで屋根兼壁の骨組みを作っており、そこに落ち葉を積み重ねることで雨も防げる屋根を構築している。床面には落ち葉を敷き詰めてクッションと断熱材としており、冬のシェルターによくある落ち葉を多用したシェルターである。また、壁として葉のついた木の枝(常緑樹なら何でもいける)を重ねて使ったり、もう一方には細い丸太と落ち葉を組み合わせた壁を構築したりしていて、基本的な技巧の組み合わせとして参考になるだろう。

シェルターは一辺が開けており、そのままでは防寒にはさほど効果は発揮しないが、この構造のシェルターは一辺を覆わないため労力の節約になるうえに、適切に焚き火を設置すると焚き火の恩恵を大きく受けられる構造でもある。屋根の部分は焚き火の熱を受け、反射することで内部にあるものを温めるし、屋根の厚い落ち葉の層が蓄熱することで焚き火の熱をある程度平均化して熱線を放出することで内部を温め続ける。焚き火の燃料を集めるのは少し手間だが、暖房効率のいいシェルターとそれに適した暖房装置を構築するよりははるかに楽であろう。

寒さは気力体力をともに奪うため、速やかなシェルターと暖房環境の構築が必要である。一つ一つの作業はさほど技術が必要なものでもないので、基本構造をしっかりと知っておき、万一のときに役立てるようにしておけば寒空の下で途方にくれることもないだろうと思う。

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冬には長い火を

冬になると現代の文明、その真っ只中に居ても暖かさが恋しくなる。ましてサバイバルにおいては暖かく保つというのはどれほど心理的、肉体的に重要であることか。冬の寒さは生きるための暖かさについて思いをはせるのにちょうどよいだろう。

さて、サバイバルで暖をとるならば、すなわち火を焚くということになろう。焚き火というのは薪(たきぎ)に火をつけるだけとはいえ、自然物を相手にするもので、画一的な燃料を利用するものとは違う奥深さ、複雑さがある。そして、均一ではないその燃料の性質を利用することで、目的を達成することも出来る。いわゆるlong fireというものがあり、これは薪そのものの性質を発揮させることが必要な焚き火である。

long fireは直訳すると長い火である。これは、大抵のところ構造的に横に長い火であると同時に、時間的に長時間燃え続ける火であるという2つの意味を持っている言葉である。方式は色々あって、積み上げ方を工夫したり、土を乗せてみたりと本当に様々工夫するのであるが、今回は使う燃料の太さと長さをうまく使う、それだけの方式の動画を紹介しよう。

さて、動画中の解説は風で聞き取れないところもあるが、つまるところやっていることは少しずつ火を大きくして、薪を太くする焚き火である。横長の炉を太い木を枠にして作り(太ければ太いほど燃え難いので燃焼を制限するのに役立つ)、その中で焚き火を開始する。この焚き火を少しずつ勢いを強めてより太い薪をくべていくのだ。太い薪はその外周から燃えていくために長時間燃え続ける。よって十分に太い薪に着火することが出来れば一晩中燃やし続けることも可能なのである。