木を瓦礫をガラスをつかむ - 手袋を備えよう

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災害時、様々なものが壊れる。また、様々なものを移動する必要に駆られるであろう。

家の中では家具が壊れたり食器が散乱することもあるだろう。家の外ではブロック塀が倒れたり植木鉢などが割れたりもするかもしれない。不幸にも家が倒壊してしまえば人命救助や物資の発掘で瓦礫を除去する必要もある。

そういったときに一番使うものは「手」である。瓦礫も、コンクリートブロックも割れた食器も手でつかんで撤去する。人間の手は細かく作業でき、非常に強力な道具としてみる事ができます。災害時などは人手での作業の頻度は大きく上がります。

しかし、一方で素手での作業は怪我の危険も増大します。割れた食器で手を切ったり、瓦礫の釘や棘が刺さったり、また、ブロックなどを多く運べば皮膚がすりむけたりする。不衛生なもので傷が付いたり、傷の付いた手で不衛生なものを触るなどすると感染症の恐れもあるのである。

したがって手の保護が必要だ。作業時の手の保護といえば手袋である。作業用の手袋といえばたいていの人は軍手をイメージし、それを準備するかもしれない。だが軍手では不十分だ

軍手は編み物であり、編み目は大きい。つまるところ、軍手は棘や釘、またとがったガラスや陶片などは防ぐことができない。また、一番シンプルな軍手は滑り止めもなく持ち運びの作業についても効率がよいとはいえない。そして、木綿糸で作られる軍手はブロックやレンガなどの擦れる素材には若干弱く、耐久性に難がある。

軍手でもないよりはましだが、どうせ備えるならばよいものを揃えよう。今では手のひらの部分に丈夫なゴムを張った手袋が安価で売られている。また皮手袋もさほど高いものではない。素材としてはゴム張りのものは熱に弱いので、火を扱う予定があればゴムのものだけでなく皮手袋や耐火手袋などを用意するとよい。

手袋は日常の作業も快適にしてくれる。一度軍手からゴム張りの手袋に変えると、庭仕事などの作業ではもう軍手にはもどせないほどである。使った後の収納を非常用持ち出し袋などにすれば非常時の備えと同時に日常を少しだけ快適にできるのではないだろうか。

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手軽に持ち運べる簡易シェルター - ツェルト

シェルターというものは体を周囲の環境から保護するものである。しっかりとしたものであれば山小屋といった家屋や設備であり、もう少し簡便になるとキャンプでよく使われるような山型やドーム型のテントであったりする。また、サバイバルシートや自然物を使って造ることもある。

しかし、行動中に不慮の事態で休息が必要になったときに行うビバーク時には、しっかりとしたテントは軽装で行動している際には荷物として大きすぎるし、自然物やシート等を使ってシェルターを作るのは時間と労力がかかりすぎるのでいささか適するものではない。

そういった場合に便利であるのがツェルトである。ツェルトはビバークテントなどとも呼ばれることがあるが、簡易小型軽量のテントのようなものである。

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防水加工された軽量の生地がたいていはテントとして利用できるような形に縫製されており、内部に入ってビバークすることができる。テントと比べると結露しやすく、また小さいので快適性能では断然劣るが、夜露と風と外気を一定の程度やり過ごすことができる。

ツェルトは軽量で小型であることが求められるものなので、たいていは通常のテントのセットに含まれるような自立用のポールなどが付属していない。したがって立ち木にロープを張ったり、木の枝を立てたりして、テントのように設営する必要がある。が、そうした軽量化により、少しの不便はあるが簡素なものであれば200g程度の重量で非常時用に常時持ち歩くのに適したつくりになっている。

また、テントとして設営せずともある程度の防護性能は発揮する。かぶったり身に巻いたりするだけで、風雨から守られ、衣類としてみると一層増えるので防寒効果も見込めるからである。また、かぶって使うことを基本に考えられたものもあり、そういったものはさらにもまして小型軽量である。

苛酷な環境に放り込まれたときにシェルターが得られるかどうかは生死を左右する問題である。登山はもとより、非常用の準備をするときに一段上の装備を整えようと思う方はツェルトを含めることも検討してはどうだろうか。

簡素な道具でナイフを作る

サバイバルに重要な道具の一つがナイフである。ナイフがあれば木の加工をしたり、蔓性の植物を採取したりが容易になり、また魚などを捕まえたときでも調理ができるなど、サバイバルシチュエーションで大変に有用な道具である。

だが、様々な理由からナイフを携帯できないということがある。またもっていたとしても失ってしまう事だってある。

そういうときにナイフをどこからか調達したいものだが、金属製の刃物製品がどこにでも転がっているわけではない。したがって刃物を得ようとするならば、周囲になければ作る必要が出てくる。

実のところ、金属の加工というものは、品質を問わなければさほど難しいものではない。十分に熱することができれば叩いて変形することが容易になり、そうなればあとは望む形に形成する根気だけでも何とかなるものである。なので、ある程度大きな金属の塊が手に入ればナイフを作ることができる。

動画では打ち上げられた廃船から太い釘を取って、それを打ってナイフを作っている。釘を熱する火は焚き火程度のものである。また、金床として使っているのはただの岩である。また、金属製のペンチでつかみ、斧の背で打っているが、これも実はやろうと思えば木のトングと石のハンマーで代用することができる。

そうして形を作ったナイフを荒めの石で砥ぎ、その後もっと細かい目の石で砥いで刃を付けると完成である。焼入れをしていない(というか、金属の組成が焼入れができるかもわからない)ので少しばかり柔らかい刃であるが木を削いでいくことができるくらいに実用的な刃が得られる。

どんな状況でもそれを得ようとする意志と根気があれば工夫を凝らしてどうにかできるようになるものだ。ないものは作るくらいの勢いで何事もこなしたいものである。