簡素な道具でナイフを作る

サバイバルに重要な道具の一つがナイフである。ナイフがあれば木の加工をしたり、蔓性の植物を採取したりが容易になり、また魚などを捕まえたときでも調理ができるなど、サバイバルシチュエーションで大変に有用な道具である。

だが、様々な理由からナイフを携帯できないということがある。またもっていたとしても失ってしまう事だってある。

そういうときにナイフをどこからか調達したいものだが、金属製の刃物製品がどこにでも転がっているわけではない。したがって刃物を得ようとするならば、周囲になければ作る必要が出てくる。

実のところ、金属の加工というものは、品質を問わなければさほど難しいものではない。十分に熱することができれば叩いて変形することが容易になり、そうなればあとは望む形に形成する根気だけでも何とかなるものである。なので、ある程度大きな金属の塊が手に入ればナイフを作ることができる。

動画では打ち上げられた廃船から太い釘を取って、それを打ってナイフを作っている。釘を熱する火は焚き火程度のものである。また、金床として使っているのはただの岩である。また、金属製のペンチでつかみ、斧の背で打っているが、これも実はやろうと思えば木のトングと石のハンマーで代用することができる。

そうして形を作ったナイフを荒めの石で砥ぎ、その後もっと細かい目の石で砥いで刃を付けると完成である。焼入れをしていない(というか、金属の組成が焼入れができるかもわからない)ので少しばかり柔らかい刃であるが木を削いでいくことができるくらいに実用的な刃が得られる。

どんな状況でもそれを得ようとする意志と根気があれば工夫を凝らしてどうにかできるようになるものだ。ないものは作るくらいの勢いで何事もこなしたいものである。