災害時に家族と自分が生き残るために確認しておくこと3点

災害時、一分一秒の判断の遅れが命を危険にさらすことがある。そういった非常時に、自分の、そして家族の生命を守るために迅速に行動するための心構えとして知っておくべき事を考えてみよう。

非常時に重要なのは命をなくさないように、自分の命に集中することにつきる。その為に確認し、心得ておくべき3点を紹介する。

1.互いに探すことなく、自らの生存のために動くこと

「津波てんでんこ」という言葉がある。命てんでんこということもあるが、これは危機に瀕してはそれぞれが個々に逃げて命の安全を図れという意味である。どうしても大災害時には他の家族の安否が気になるものであるが、非常事態においては危険がすぐそこまで接近していることがあり、家族を探すような時間はない。もし一人でも自らが逃げず他の家族を探すようなことがあれば、残されたものはその生死に責任を感じてしまうし、また、逃げ遅れた家族を捜索しに行き二次被害が出ることもある。「てんでんこ」はそれぞれがしっかりと自分の身を守ることをお互いに確約し、それを信じることである。自らが逃げることを宣言し、それによって家族が避難しやすくなるのである。

2.自らの家族以外の集団は過度に信用しないこと

災害時においては大なり小なりパニックが生ずるものである。これは集団が大きくなればなるほど発生の頻度は上がり、また収集できなくなった際の被害が大きくなる。日本は職業意識が強い人が多いのか、あまり問題となることは少ないが、例えば外国では船舶が沈没するときに船長が適切な行動をとらず、被害が大きくなった例がある。したがって、自らがまず冷静になって、外部のアナウンスに惑わされず危険を察知しようとすることが重要だ。また、前述の「てんでんこ」と異なるが、子供が学校や幼稚園等にいる場合には、可能な限りそこに行き子供の安全を確保したほうが良い。こういった集団は統率を取ったり、移動の決断をしたりするのに時間がかかり、迅速な行動がとりにくいからだ。実際に、避難の遅れから被害を受けてしまった例もある。自分の判断で避難ができない年齢の場合、親が集団から引き剥がしてでも安全を確保するという意識が必要だ。

3.まず身一つが確保できれば良いとしておくこと

様々な災害用の準備をすると思うが、そのすべてはまず命が助かってからのものである。が、それにもかかわらず、重たい持ち出し袋に飛びついてしまう。人間のとっさの判断というのはなかなか難しいもので、用意して、もって出るのだと思っていると何が何でももっていかなければならないような気分になってしまう。そうではなくて、家族と自分の命がまず助かればよいのだという意識を常に持っておくことで、何より大事な命を守る行動ができるようになる。

心構えの有無が生死を決することもある

自分で考え行動できるものは自分の身に集中できる事前準備を整えておくことこそが緊急時の迅速な判断を可能にする。うろたえて貴重な時間を浪費しないように、最善を尽くせる心の準備をしておきたい。

虫除けの方法とそれが重要である理由

災害用の備蓄や持ち出しようの装備に意外と入ってないものに虫除けがある。神戸や東日本の大震災は寒い時期におきたので、さほど虫の害については言われなかったが、アウトドアシーンなどでは虫除けというのはかなり重要な問題である。

なぜ虫除けをせねばならないか

野外で活動する場合において、虫というのはどうしても接触するものである。問題となるのはそれらに刺されるなどして、健康に問題が出ることである。分かりやすいところで言えば、蜂やアブ、ムカデなどに攻撃された場合、腫上がりひどい痛みを生ずる。また、アナフィラキシー症状を発すると命の危険も生じてくる。

他にも重大な被害を及ぼす虫が存在する。蚊とダニである。蚊やダニ、またヒルなどの吸血生物はその吸血のために皮膚を害するから、まずそこで不衛生な環境への防御能力が低下し、感染症への罹患の可能性が高くなってしまう。また、蚊であればマラリア等の伝染病の媒介をするし、ダニは特異な細菌やウイルスを保持していることがあり、そのどれもが感染・発症すると命の危険があるものばかりである。

大昔とは違い大半のものには治療薬があるが、サバイバル環境下においてはそういった薬が手に入らないこともあるし、症状の判断が遅れて重症化することもある。また薬の効かない感染症もある可能性があるから、まず第一に感染のリスクを減らすために、虫に刺されない対策をしておくことが重要だ。

刺されないためにどうすればよいのか

虫からのリスクを防ぐために刺されないようにするということであるが、その方法は大きく2つある。物理的方法と化学的方法だ。つまり、蚊帳などで物理的に接触しないようにする方法と蚊取り線香などで殺虫するなり追いやるなりする方法である。

物理的な方法には代表的なものでは蚊帳があるが、実際は蚊帳を持ち歩くのはハードルが高いだろう。たとえばキャンプにつかうテントなどは虫が入らないような対策をしている物が多くあり、虫から守られた空間が得られるだろう。また、衣服で防御するという方法もある。長袖長ズボンなどは効果的であり、大きな虫、蜂やアブ等にはこれで十分効果が見込める。ただし、蚊やダニなどは、開いた部分から入ってくる場合があり、開口部を縛ったりして、侵入口をなくす工夫が必要だ。

化学的なものではまず蚊取り線香である。実際に線香をたいて虫除けするものがアウトドアでは効果が高いといわれることもあるが、電池式のものやスプレータイプで空間の虫除けをするものもあり、ある程度使い慣れている物のほうが良いだろう。また、体に塗って虫除けをするものも活動中などでは大変有用だ。たいてい蚊をよけるために使われるがダニにも効き目があるし、ヒルやナメクジなどにも効くようである。

こういった体に塗るタイプ(スプレーやジェルなど色々あるが)は主成分はおおよその場合DEET(ディート)と呼ばれるもので高濃度の製品での毒性や、子供に対する毒性が言われているが、虫除けには大変効果的であるので、そして、特にマダニに刺されるリスクと比べるとリスクは低いので、非常時の虫除けとしてもっていてもいいだろうと思う。

虫は小さな暗殺者であると心得るべし

相手はとても小さな、たとえ1cmに満たない虫であったとしても、その身に潜む細菌やウイルス、毒などは人間を死に追いやりうるものである。その対策に十分な注意を払うことで生存の一助になるであろう。