軽くて頑丈プラスチック水筒

CIMG3048 (2)人間に水は必須である。水無しでは3日と生きていられない。しかしながら水はどこにでもあるというわけではない。よって何らかの方法で運搬する必要があるわけである。

現代では水道があるので昔よりは格段に水の調達は楽になったが、やはり災害時には水道も寸断されて使用不能になる。水が調達できるうちに確保し、持ち歩くことは重要なことである。

そういう水を運ぶ必要のあるときに、ポリタンクやビニール袋など方法は色々あるが、メジャーなのは水筒であろう。

水筒も様々な種類がある。長時間同じ温度を保つ魔法瓶型の水筒、またその中でもカップに注ぐタイプと直接口をつけるマグタイプで分かれたり、プラスチックでできた水筒も色々とある。ペットボトルも一種の水筒といえるだろう。

その中でも頑強性に優れ、軽量である、アウトドア・サバイバル向きの水筒がある。プラスチック、ポリエステルでできたこの水筒は硬く、またプラスチックゆえに軽い。もちろん水を入れれば重いが、水を飲んでしまったあとに負担が少ないというのはかなりのアドバンテージといっていい。

また口が広いものも多く、水を汲む前の、装備品の中に押し込められているときに他の物品を入れておくことができる。ビニール袋に入った米だとか、小麦粉を入れても良いし、パスタや素麺などを入れば他の荷物に押しつぶされて折れる心配も無くなるだろう。他にも食品だけでなく色々な小物を入れることもできる。

このタイプのプラスチックの水筒はいくつかのメーカーから販売されているが、私のお勧めできるメーカーはNalgene(ナルゲン)である。さほど力を入れずともしっかりとしまり、きっちり閉めたあとは漏れも無い。耐熱性も十分(100℃)であり、頑強で不安も無い。私はナルゲンの水筒を2年ほど使用している(上の写真がそれである)が、かなり手荒く扱ってもさほど痛んでるように感じない。

こういう頑丈でしっかりと漏れのない水筒があれば、水の運搬というだけでない利用法もできる。

夏では水を入れた状態で抱えればいくらかは涼しい。サバイバル時でなく日常であれば氷嚢的な使い方もできる。また冬であれば、湯を入れて湯たんぽとして利用することができる。1リットルのものを使えば湯の量もそれなりに暖房に使え、布団など寝具の中に入れれば暖をとることができる。こういう暖房の手段になる装備はサバイバル時には重宝する。湯を入れるという、一歩間違えば大火傷の危険がある行為はしっかりとした水筒でないと難しいからちゃんとしたメーカーのものを選ぶとよいだろう。

こうした水筒類は日常でも使えるから一度使ってみて、能力を実感してみると良い。保温能力には欠けるが、その軽さや取り回しのよさは一考に値するものであると思う。

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足首を捻挫したときの包帯の巻き方

非常時、災害時の機動力の維持というのは大変に重要だ。状況の変化に合わせて速やかな移動をすることは生死にかかわるといっていい。

しかしながら、そういう時に限って足を怪我したりすることがある。あわてて移動したり、足場の悪いところを移動するときに捻挫をするようなこともあるだろう。川原を走ってみると分かるが、ごろ石の多いところを走ったりすると、よく足首をねじることになる。捻挫してしまうとそれにより大幅に移動力はそがれることになる。即座にといわずとも時間的に余裕ができれば手当てをし、回復しやすくし、またとっさのときに動けるようにするべきだ。

捻挫の手当てとしては一番に上げられるのはテーピング、つまるところ固定である。非常用の装備として専用のテーピングのテープを用意しておくのも良いが、伸縮しない包帯で固定する方法もある。

包帯で固定するとき足首を固定できるように包帯を巻くわけであるが、その方法について東京有明医療大学が分かりやすい動画を公開してくれている。

他にもテーピングテープを使った種々の固定法なども紹介されているので興味がある方はごらんいただきたい。

動画では伸縮しない包帯で固定しているが、包帯は他の布類で代用することもできる。また汎用的な布であるさらしを用意しておけば包帯を作り使用することができる。

試行錯誤しても固定することはできるが時間がかかる。基本的な包帯の巻き方を知っておき、非常時の万が一のときに手早く手当てできるようにしておこう。

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包帯に6裂とか5裂とかあるが、恐らくさらしをいくつに裂いたということであろうと思われる。

非常時の装備を3段階に分ける 後編

前二回(前編中編)では人力で運べるだけの装備について話したが、それらの装備にはやはり人間の限界がある。体力的に優れている人、訓練を受けた人間であってもせいぜいが自分と同じ体重までしか持ち歩けないし、長距離移動しようとするともっと量は減らさざるを得ない。しかし、それ以上の装備でもって長期間の事態にも備えたいときはどうしたらよいだろうか。

大規模な装備、重い装備

長期の備えとなったときに、思い浮かぶのは備蓄倉庫の類である。家庭内でも食料庫なりに保存の利きやすい食料を多くためておくなどして長期の流通の断絶に備えるわけであるが、こういった備蓄は家などの拠点が破壊されたとき、また津波や火事などが迫ってきたときには放棄せざるを得ない。

そういったときに、物資を持って逃げられるような対策をとっておけば安心である。しかし人力では無理であるから、動力、つまり自動車で運ぶという方法になる。自家用車がなければ難しいが恐らく土地の問題などで自動車の保有が難しいような土地であると(建物の密集や人口密度の高さで)自動車での移動は難しいと思われるので非常時の自動車利用は初めから考えなくてもよいだろう。

自動車に積んで持っていくものとしては、長期の食料、また浄水器と飲料水、発電機、寝具、調理器具、カッセットコンロとカセットボンベ、衣類一式、工具等かさばったり重量があったりするものも自動車であれば苦もなく運搬できるから、人力で車載できるように小型のプラスチックコンテナなどに入れておいておく、また一部は常に車に積んでおくなどしておくと非常時にあわてないですむ。

自動車特有の備蓄品・装備品もあるとよいだろう。普段は使わないような牽引ロープや予備タイヤ、ブースターケーブル(バッテリーにつなぎバッテリー上がりを起こした車のエンジンを起動させたりするもの)などがあるが、これらは災害時でなくとも役に立つ場合があるからできれば備えておきたいところだ。燃料の缶詰というものもあり燃料に不安がある場合には備えておくと良い。消防法等の関係であまり多くを備えるわけにもいかないだろうがないよりは安心だろう。

こういう自動車での備えの究極はキャンピングカーである。十分な食料と衣服等を準備しておけば衣食住の完璧にそろった状態で移動できる。趣味でキャンプカーを持っている場合には少し意識して装備を整えると良いだろう。

自動車はなくとも、小規模になれば自転車でも運搬は可能だ。背負い鞄と合わせて荷台に積載できるようにしておけば背負って運ぶよりは少し多く物資を持ってゆける。心もとなくはあるが無いよりはましであろう。

無い状態から車などを用意して災害に備えるのは少しばかり大仰であるが、持っていて利用ができるならば最大限非常時に活用できるように用意していたほうが良い。いざというときに不完全な状態で挑むはめにならないように大げさと思わずしっかりと整えておきたいところだ。

小規模の物から備えよう

以上、規模で3つの段階に分けて考えてみたが、住んでる地域や外部に頼れるものが居るかどうかで備え方は大きく異なってくる。確実に安全な自宅があれば帰宅第一に考えて最小のものだけで何とかなるし、住居に不安があれば移住できるくらいの備えが必要だったりもする。様々な備え方があるが、規模が小さいものの方が重要で必須であると思う。今回紹介した規模で分ける方法が役に立てば幸いである。

非常時の装備を3段階に分ける 前編
非常時の装備を3段階に分ける 中編
非常時の装備を3段階に分ける 後編