雨の日の焚き火の仕方

サバイバルにおいて、体力の消耗を防ぎ、また調理などをして身体を維持するために火を熾し焚き火をするというのは基本といっても良い。

その焚き火をするのには乾燥した状態で、焚き火の熱が不必要に奪われないほうがよく、そういうときには上手に焚き火をすることができるだろう。しかしながら、そういうベストな状態をいつも得られるわけではない。

野外活動では強風や雨天などの悪天候のリスクはつき物であり、しかもそういうときにこそ暖をとりたいということが多い。こういうときにこそサバイバルスキルが問われるのである。

雨の中ではまず濡れてない燃料を確保するのが重要である。軽い音がして折れる枝は外は濡れていても中は乾燥している。また、たいていの倒木や折れて落ちた太目の枝は朽ちていなければ中心部は乾燥してるので、割って内側を使うことで、乾燥した木材が得られる。樹皮も油分が多くて水分の影響を受けにくいものの1つだし、同時に樹皮はせっかく得た乾いた燃料をぬらさないためのカバーにもなる。こうして、乾いた燃料を得て焚き火を行う。

上の動画にもあるように雨の中であっても焚き火をすることができる。確かな知識と技術があれば、どのような状況でも切り抜けることができるのである。

雨具の必要性とその応用性

サバイバルにおいて雨の対策というのは重要なものの1つである。

雨に濡れてしまうと体温は急激に下がり、体力を大幅に奪われる原因となる。また、雨により濡れてしまうことで火を使うことができなくなり、調理や暖房に支障が生じる。

そういったときのために、まずもって濡れないようにするための装備があるとよい。

雨に濡れるのは大体においていやなものであるから、現代においては雨具が大量に存在する。街中においては傘が大半であろう。手軽であり、衣類を乱さないし、蒸れることもないから便利な雨具である。

が、一方でサバイバルとなると雨具として優秀なのは雨合羽のような着込むタイプの雨具、そして、ポンチョタイプの雨具である。

上下に着込むタイプは運動に適する

着込むタイプの雨合羽は上半身も下半身も防水の服で、これであると、手がふさがることも無く雨の中でも活動的に行動できる。そういったものは登山やスポーツを意識して作られていることが多く、そこそこの値がするが、蒸れが少なく快適に運動できるように設計されている物もある。

ポンチョタイプは着脱が容易で応用もしやすい

ポンチョタイプの雨具はあまり見ることが少ないものであると思うが、スポーツ用品店で時折見ることができるだろう。おおよそ登山用の装備として扱われている雨具である。ポンチョタイプは頭からかぶるだけの簡単な構造であるので、手軽にかぶれ手軽に脱げるから天候が不安定なときに重宝し、またその単純な構造ゆえに他の用途に転用がしやすい。

雨具の応用法

サバイバルに重要なのは1つの道具を1つの利用法でとどまらせないことだ。雨具も雨から身を守るだけではない。

たとえば上下に着込むタイプは、雨の侵入を防ぐために、どうしても他の衣類に比べて通気が悪くなる。が、それは逆に言えば寒い空気を通しにくいわけであり、寒冷時では一番外に着ておくことで寒さから身を守るための一層の防御層となる。

また、ポンチョタイプはより利用法が多い。ポンチョタイプのほとんどは伸ばすと真ん中にフード付の穴の開いた四角いシートとなるようになっており、これを用いてシェルターの天井にすることができる。また、シートの形を使い、落ち葉や草などを集めてもよいし、雨水を集水することもできるだろう。フードのある穴の部分を縛って簡易のボートの底にするというアイデアもあったりして、大体防水のシートを使ったアイデアは流用して活用できると考えて良い。単純なゆえの応用性である。

雨の対策、水濡れの対策は絶対にひとつは用意すること

なんにせよ、雨対策は必須である。どんなに天候がよさそうに見えても、突然の雨に降られることはあり、サバイバル状況下ではそれが後々の行動に影響を及ぼす。場合によっては体力の低下が命の危険につながる状況で、雨は強烈なリスクである。無駄に体力と健康を損なわないように常に備えよう。

変則的なスウェディッシュトーチ

前に調理用としても明かりとしても移動できて便利なスウェディッシュトーチを紹介したが、スウェディッシュトーチはその構造上、一定の太さの丸太が必要とされる。斧がある場合はそういう木を切り出すこともできるのであるが、ナイフしかないような場合や、あってもツールナイフについているような短いのこぎりのみの場合はそういったことは難しい。

こういう場合にスウェディッシュトーチの技術は役立たずかというと、実はそうでもない。スウェディッシュトーチは、つまるところ木の壁で覆われた筒状の燃焼装置として見ることができる。木は可燃性があるが、温度が高くならなければ燃えないし、吹きっさらしだと温度は下がりやすいから、トーチの外部が燃えないことで、他の燃焼器具のように燃えない外壁を保てるのである。

したがって、太い丸太が無くともそれに代わるもので似たようなものを作ることができる。具体的にはある程度の太さの丸枝、もしくは細めの木の幹を束ねて使うというものである。太めの木材を複数本束ねれば、外側が燃えず中が燃えるのに十分な木の厚みが出せるし、それぞれの間にはどうしても隙間ができるからそこから空気が入り、内部が燃えるのに十分である。

これのよいところは、太い丸太を用意するよりも断然労力が少ないし、材料が手に入りやすいところにある。また、どれだけきっちり合わせようとしても、曲がりやそれぞれの大きさの違いで隙間ができるから、本式のスウェディッシュトーチに比べて通気に気を使わなくて良いというところがある。

ただし、この方式のスウェディッシュトーチは木を束ねて作るから、そのためのロープなり針金なりが必要である。可燃性の紐を使うなら水に浸すなりの手当てが必要になる。金属の針金は使い道は色々とあるからいくらか用意しておくのもよいかもしれない。