水の備蓄は難事である

生存には水が必要である。しかも、相当な量の水が。

スポーツ飲料の広告で「寝ている間にコップ一杯の水が失われる」といったものがあった。まさしくそうである。一日に最低でも2リットルの水分補給が必要とされる。

その水をどこから得るのか、という問題がサバイバル時にはついて回るのであるが、日常においては現代社会では水道が発達しており、安全に使用できる水が即座に入手できる。しかし非常時にはこういったライフラインは停止することを前提に考えておかなければいけない。

ライフラインの停止を考えるときに、一番に思いつくのが備蓄である。水の備蓄については災害用品店などを見るに、缶詰の水や長期保存用のペットボトル水等あり、飲料水の備蓄を考える人も多いようである。阪神大震災以降、こういった備蓄は3日程度を目安に行われていたが、東日本大震災でそれでは不足であるということがわかった。3日分の飲料水でさえ6kgとなるというのに、それ以上の水が必要となるのである。これはもはや気軽に持ち歩くことができる量を大きく超えており、各戸の備蓄として倉庫や納戸等に置いておくレベルの備蓄品であろうと思う。

水の備蓄で一番安価な方法は、容器にいっぱいになるまで水道水を充填し十分に密閉するという方法である。水道水中の残留塩素が水の保存に効果を発揮し、1ヶ月程度はもつということだ。手間であるかもしれないが、保存開始から時間がたった水は皿洗いなどに利用しつつ順次入れ替えていけばローコストで水の備蓄をしておくことができる。

水が無ければ何も生きられない

サバイバル3つの3の二つ目は3日である。体温保持の3時間より少しだけ重要度が下がるが状況によっては3日よりも切迫する可能性のある危険、「脱水症状」の3日である。

そもそも地球上の生物というのは水の存在を前提としている。そして、動物は体重の多くが水分なのであり、人間もまた水なしでは生存できない。また、水分は生きているだけで乾燥により失われ、体温調節や食物の消化などのために消費されていく。水無しで過ごせる3日というのは長くてそれだけ耐えられる可能性がある期間としてみたほうがよい。実際には活動や気候によりそれより早く限界が訪れる可能性がある。

また、生命の危険に至るまでの脱水とならなくとも、脱水症状は頭痛や倦怠感、思考能力の低下などを引き起こし、生存に適切な行動をとる妨げとなるため早期の水源の確保は重要となってくる。すぐに救助が見込める状態であれば体温の保持と救助されやすい状況を得るだけでよいが、即座の救助が期待できない場合には水をどのように得るかということは生存に欠かせない要素であるといえる。

単純な解決のひとつとしてあげられるのは、水の備蓄、運搬である。ミネラルウォーターのペットボトルなどが販売されているが、そういったものを一本持っているだけで、当座の水分は補給できよう。ただし、水は重い。一日に必要とされる水は2リットル、これは2キログラムの重量である。数日間のサバイバルには対応できない。

最小のシェルター

シェルターは風雨や日差しから身を守り、保温をし、身体を防護するために大変重要です。体温を維持するために肉体を酷使するとあっという間に体力を消耗してしまいます。そのため外部的なもので身体を保護する必要があるのです。その点で体温の保持・身体の保護という意味においてシェルターの最小のものは衣服と考えてもよいだろう。

冬場においてはダウンジャケットや厚手のパンツ(ズボン)などがあれば、ある程度寒くても活動できます。しかしながらこういった普通 の冬物衣類では雨などの天候には対応できません。防水の効いているウインドブレーカーやレインコートがあれば、一枚衣類の層が増え保温に有利であると同時に、激しい天候にもよりよく対応できるようになるのである。

また、日差しが強い時期において、長袖のシャツや長ズボンや帽子が日焼けを防止し体力の消耗を抑えるのに一役かうでしょう。日光を浴びるのは思ったよりも体力を消耗するものである。

どんな時期においても衣類による防護は基本となり、重要なものです。夜に寝巻きで外に放り出されてこれからサバイバル、となればどうなってしまうでしょうか。最低限は野外活動に使える衣服をいつでも使えるように用意しておきたいところだ。