砂糖で傷の手当

傷の手当には消毒薬とガーゼ、だけではないことは今までも紹介してきたがこんかいは傷薬で消毒したいとき、傷薬として効果のあるものが身近なものに存在することを紹介しよう。それは砂糖である。

砂糖が傷薬になるというとかなり不思議な感じを受けるが、菌を退けるという観点から見ると身近なもので実証されている物である。つまりジャムや砂糖漬けなどの保存食品類である。またキャンディーの類も腐敗とほぼ無縁であろう。つまり高濃度の糖は防腐作用があるということである。糖分が細菌の繁殖に必要な水分を抱え込み、細菌が利用できない状態にすることで繁殖を抑えるのである。これは塩漬けで保存食を作るのと同じ原理である。傷口に塩をすり込むのは抵抗があるが、砂糖ならという気分もするし、実際アフリカの民間療法であるが砂糖を使う方法がある様である。

また、砂糖は止血に効くという話もある。ここからは筆者の推測であるが、砂糖は加水分解(水が加わって分解するということ。酸もしくはアルカリがあると分解しやすくなる)するとブドウ糖と果糖に分解するがこれは反応しやすい糖であり、たんぱく質と結合して各種機能を変化させてしまう。これは糖化反応と言われ通常では老化の反応として嫌われるものであるが、傷の手当ではたんぱく質との反応で収斂作用が起きた場合、止血に効果があるものが多くある。薬草で止血に効くといわれるものは多くが収斂作用を持つものである。また、この糖の反応は人体だけでなく菌やウイルスにも見境なく起こるので消毒の機能への期待も高まるところである。

これらはさほど研究の結果が積み重なって実証されている物ではないが、古代の治療薬の一つに蜂蜜が挙げられているところからも代用の薬として用いるには十分な要素ではないだろうか。私は非常用食料として氷砂糖を持っておくことを推奨しているが、そこからの治療薬への流用も考えればなかなかに有用であると思う。

ただし、高濃度の砂糖は人体にも毒であるということは肝に銘じておこう。一時期、氷砂糖のすっきりとした甘みに魅せられて大量に氷砂糖を食したとき、口の中と喉の粘膜を激しく痛めたことがある。全体が火傷したようにただれてしばらく痛みが続いたのである。過ぎたるは及ばざるが如しともいうので、傷口に薬として使う場合も様子を見ながらそこそこの量を使い、長期にわたって使用することは控えるようにしたい。

砂糖で傷を手当した後には、状況が落ち着き消毒も完了して清潔に洗浄できるようになれば他の療法にも変更できるだろう。実績の多い療法ではないからあくまでもつなぎとしての利用が好ましいと思われるが、それでも感染予防には何もないよりは一手打てるので何かの際には思い出して欲しい。

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