一寸先は闇 - 10フィートの棒

突然サブカルチャーの話になって申し訳ないが、複数人で集まって行うゲーム(コンピュータを使わないゲーム)のなかに、ファンタジー世界で冒険するという種類のものがあり、その中に出てくる道具に10フィートの棒というものがある。踏み込む先に危険な罠が潜んでいるかもしれない迷宮の中で少し先の位置の罠を探るなど、冒険途中の危険を避けるために使うアイテムである。

さて、サバイバル、というか野外活動においても一歩先に危険が潜んでいるということは十分に考えられる。藪・草むらの中では毒虫や蛇、また尖った石などもその姿を隠すし、突然の段差が隠れている場合もある。また湿地帯では急な深いぬかるみなども存在し、岩場では隙間に蛇が居たりそもそも岩が安定していなかったり、そして日本ではないだろうが、水場に置いてはワニが身を潜めていたりすることもある。

温厚といわれる動物でも突然ふんでしまったりすると苛烈な反撃をすることもあり、そういったことから愚直に足を踏み入れることは控えなくてはならない。一歩先に何があるか分からないから慎重に安全を確認する必要があるのである。

そして、安全を確認する一番リーズナブル(時間と労力のコストが少なく十分な効果が認められる)な方法が長い棒を使うということだ。前述の10フィート棒のように、長い棒でもって、行く先をがさがさと掻き分け、また時に叩いたりしつつ進むのである。大抵の場合、少し離れた場所から探りを入れた場合、虫や蛇などは向かってくるより逃げることのほうが多い。もちろん逃げない個体もあるが、それでも早急に察知することが出来るので対処のしようもあるというものである。

棒は森であれば調達は簡単である。落ちた枝などでそれなりに長さがあるものを選べばよい。また、トレッキングポールやステッキは装備としてもっている場合もあるし、人里であれば園芸用の支柱なども調達しやすく使いやすいだろう。調達の容易も危機回避の手法として有望である要因の一つである。

土地勘があるところでも藪の中は何がいるか分からないところがあるので、十分注意が必要であるから、長袖長ズボンの原則を守り、また追加で棒による探索などを取り入れて、安全な行動を心がけて欲しい。