非常用食品としての油

非常時には食料は貴重になってしまう。文明社会の中であたりまえのように流通の成果を享受しているときにはあまり思い浮かばないかもしれないが、身の回りの食料というものは特に人口密集地では存外に少ないものである。そんなわけで食料の備蓄が必要になるが、保存性がよく重量の少ない優秀な食料というのはさほど多くない。

保存性のよい食品としては専用の非常食のようなものがある。非常食として売られているものの多くは滅菌と包装によって食料を保つものであるが、どうしても高価になってしまうものであるし、そこから発展して調理したり工夫する余地の少ないものでもある。それで、日常のもので保存性のよいものを探すと、例えば米だとか小麦とかの穀類や乾麺などは常温で長期保存のきく、しかもそれなりにカロリーの高いものである。他にも砂糖や乾燥食品全般など、乾燥したものや精製されたものは長期で保存が可能である。

そういった見方をすると、油脂はかなり優秀な部類となる。油を食料というと少し違和感を感じるかもしれないが、揚げ物では衣などに多く含まれるし、炒め物などでしく油がカロリーを増やしていると目の敵にされているところからいうと、結構なカロリーを油から摂取しているのである。つまり油は高カロリー源である。そして、精製された油はかなり日持ちがするのである。

賞味期限を調べると、ごま油では2年前後、サラダ油・オリーブオイルも2年程度である。またラードは半年だが、固形では酸化しにくく、悪くなっても表面だけということもある様だ。ラードでは缶詰であるが60年以上経ったものが食用に足るとの検査結果が出たというはなしもある。油の劣化は基本的には酸化なので細菌繁殖による毒素はあまり心配要らない(ないわけではないけれど)からある程度安心できる。(まぁ酸敗でも体調を悪くすることはあるけれども)ぺミカンなんていう獣脂で固めて保存するという保存食もあるくらいであるし、オイル漬けも保存食としてあるから保存性はよいのである。

高カロリーで保存性も高いとなれば、まぁ、すこしばかり家に蓄えてもいいし、例えばチューブのラードくらいであれば非常用の持ち出し袋に入れておいても良いかもしれない。他の食料に米などいれておけば調理に使用することで味の幅が広がるし、重量比のカロリーは油脂に勝るものはないのであるから。

もちろん、通常時にはたくさん摂取すると健康上の問題も生じるから控えめにしておこう。が、一転サバイバルになれば油脂は良い友である。日ごろカロリーオフを言われていても、非常時では十分なカロリーの摂取が重要であるから、よいカロリー源である油はサバイバルの強い味方になるはずだ。

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