暗闇を歩くことはできない - ライトを備えよ

いつ何が起こるかわからないことを考えると、明かりが得られるようにすることは重要なことである。真っ暗な中では非常用の持ち出し袋がどうとか、避難がどうとかの問題以前に、一歩先に進むのすら危険である。

夜に災害が起きること、そして被災後にも必ず夜が訪れることを考えると、持ち運べるライトは必需品であることが分かるだろう。現代では、特に都会であると、家の外でも街灯などで照らされており、足元がかすかにも見えないといった自体はめったにない。しかし、ひとたび災害が起きたとき、停電により真っ暗になる可能性は大いにある。

また、建物の中ではより暗闇となる可能性は大きい。室内では月明かりが頼りになるところも少ないためにまったく見えない場所が多くなる。その上、足元には様々なものが散乱するなどの事態も想定されるし、場合によっては床も崩落しているかもしれないことを思うと、何か照らすもののないまま移動するのは危険すぎる。

そういったとき、非常用の発光体(ケミカルライト)やライター、ロウソク、携帯電話のライトなど、光源となるものは色々とあるが、やはり効果的に光を確保するには専門の器具を使った方がよい。

非常用のセットなどでは、小さなライトがついていたり、もしくはグレードの高いものでは手動発電式のライトがついていたりする。どちらも有用であるが、バッグの外側に吊り下げるなどすぐに手に取れるようにしておくとよいだろう。

他にも、災害用といわれていなくとも、一般的な懐中電灯であれば十分に役目を果たす。重さや大きさを見て自分好みのものを選べばよいだろう。最近ではLEDのものが多くなってきており、連続点灯時間も長くなっているので無駄遣いをしなければ相当長期にわたって利用することができる。

もちろん、どんなライトを使うにしても定期的に点灯し、状態を確認して、バッテリーも順次交換してやる必要がある。常に万全の状態で、不測の事態に皆の道先を照らすことができるように備えよう。

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遠くまで届くラジオを聴く - AMラジオと短波ラジオ

災害時に情報を得ることは生死を分けるほど重要なことがあるが、災害時には情報を発信する放送局、アンテナや情報を中継する装置などがダメージを受けることもある。そうした場合には情報機器のあるなしに かかわらず情報が届かないということも起こりうる。

災害直後には無事だった施設も、停電してしまえば非常用電源などで駆動していてもいずれは電力の問題で 停止してしまうであろう。携帯電話などでは基地局がダメージを受けて通信不能になることも実際起きている。

その際、ラジオではまだ情報を得られる可能性が大きい。送信距離の短いFM放送は難しいかもしれないが、AM放送はわりと遠くまで電波が届くし、アナログでの送信であるから雑音が多くとも何とか聞き取れるということもある。デジタル形式のものでは一定以上のノイズが入ると情報の復元ができなくなるので緊急時には少し弱い。

一般的なAM放送は中波と呼ばれる電波を使い放送しており、その到達距離は大規模な送信所で200km程度だという。これほどの距離をカバーしていれば被災地区外からの情報も届きやすいだろう。安価で受信しやすいAMラジオが情報の入手の第一の手段になるだろう。だが万が一、そういった送信所が破壊されるとかなりの範囲でラジオすら断絶するということになる。

そういった場合のバックアップとして短波ラジオを持っておくことを勧める。短波ラジオは短波と呼ばれる電波を使った短波放送の受信機である。おおよそが電池式で持ち運べるものが多い。短波放送は国外からの放送も受信できるので、どのような甚大な被害でも、情報の断片は得られる可能性があるという点で優れている。どうしても遠回りの情報になるから即時性や詳細さでは劣ると思われるが、ないのとあるのとでは大きく違うだろう。

大抵の短波ラジオは中波のAM放送やFM放送も聴けるようにできていることが多いので、価格が折り合えば少しばかり検討してはどうだろうか。大抵の場合ではAMラジオで事足りるが、万が一に供えるならば選択肢が多いに越したことはないのである。

災害時の情報機器について考える

災害時に適切な行動をするためには情報収集が重要になってくる。特に津波などの警戒情報は生死を分けるほどに重要な情報となってくる。

災害時には家庭に据え置いているテレビ等で情報を得る場合もあるが、甚大な被害が発生している場合には大抵の場合は停電していると思われる。そこまでの被害で無くとも局所的に停電になる場合もあるから、災害時の備えとして用意する情報機器は家庭の電源に依存しない携帯式のものが望ましい。

携帯する情報機器として安価で一般的なものはやはりラジオだろうと思われる。ラジオは構造が単純で小型化しやすく、画面の表示等の電力を多く消費する部分がないので電池の持ちもよい。消費電力の少なさから手回し発電で駆動するものがあるのもよい。

ラジオは音声情報のみであるが、携帯式のテレビもある。テレビは、携帯式のものは総じて画面が小さいが、それでも音声情報だけよりは情報量が断然大きい。ラジオだと自分の居る地域の情報が放送されるまで時間がかかることもあるが、テレビであると一覧表示をしていたり、様々な方法で情報を知らせてくれるので短い時間で情報が得られる。

近年では一番身近においている情報機器として携帯電話が挙げられるだろう。今ではたくさんの人が所持しているこの小さな情報端末は、よく知られているように災害時には通信の増大によって接続が困難になる場合もある。したがって情報の収集に際して携帯電話を第一のツールとすることはできないだろう。であるから、あくまで補助的に、また自分から何か発信する必要がある場合に使うにとどめておいた方がよい。機種によってはテレビ放送を受信できる場合もあるから便利であるが、バッテリーの消耗につながるから災害直後などの短期間の利用にとどめておく方がよい。

情報無しで闇雲に動くのはライトを持たずに夜道を歩くのに似ている。ラジオは安いものであれば1000円かからないので絶対に一つ備えておこう。