遠くまで届くラジオを聴く - AMラジオと短波ラジオ

災害時に情報を得ることは生死を分けるほど重要なことがあるが、災害時には情報を発信する放送局、アンテナや情報を中継する装置などがダメージを受けることもある。そうした場合には情報機器のあるなしに かかわらず情報が届かないということも起こりうる。

災害直後には無事だった施設も、停電してしまえば非常用電源などで駆動していてもいずれは電力の問題で 停止してしまうであろう。携帯電話などでは基地局がダメージを受けて通信不能になることも実際起きている。

その際、ラジオではまだ情報を得られる可能性が大きい。送信距離の短いFM放送は難しいかもしれないが、AM放送はわりと遠くまで電波が届くし、アナログでの送信であるから雑音が多くとも何とか聞き取れるということもある。デジタル形式のものでは一定以上のノイズが入ると情報の復元ができなくなるので緊急時には少し弱い。

一般的なAM放送は中波と呼ばれる電波を使い放送しており、その到達距離は大規模な送信所で200km程度だという。これほどの距離をカバーしていれば被災地区外からの情報も届きやすいだろう。安価で受信しやすいAMラジオが情報の入手の第一の手段になるだろう。だが万が一、そういった送信所が破壊されるとかなりの範囲でラジオすら断絶するということになる。

そういった場合のバックアップとして短波ラジオを持っておくことを勧める。短波ラジオは短波と呼ばれる電波を使った短波放送の受信機である。おおよそが電池式で持ち運べるものが多い。短波放送は国外からの放送も受信できるので、どのような甚大な被害でも、情報の断片は得られる可能性があるという点で優れている。どうしても遠回りの情報になるから即時性や詳細さでは劣ると思われるが、ないのとあるのとでは大きく違うだろう。

大抵の短波ラジオは中波のAM放送やFM放送も聴けるようにできていることが多いので、価格が折り合えば少しばかり検討してはどうだろうか。大抵の場合ではAMラジオで事足りるが、万が一に供えるならば選択肢が多いに越したことはないのである。