怪我をしたときどうするのか

災害時においては、怪我をしないというのがまずもって大切である。緊急時においては、満足な治療が受けられるとは限らず、災害時の搬送などは困難を極めるため、治療を受けるための応急の手当てが必要となる。

応急手当というと止血や冷却などで身体の損傷を最小限でとどめる方法である。これによって即座に死につながらないようにしたり、後の治りをよくするために行われる。また、救急のときに心肺蘇生法なども行ったりするが、サバイバルシーンでこういった状況に陥っても救助の望みは薄いのでここでは語らない。(ただし、AEDを含めてやり方を知っていることはよいことだし、一時的な心肺停止なら回復する可能性もあるのでやる意義はある)

ともかく、怪我をしても助けが無いような状況では怪我をしないことが一番であるが、それでも受傷してしまった場合には自分ないしはその場にいる者が手当てをする必要がある。

傷の手当で一番にするべきは止血であるが、たとえば動脈に達するような傷を受けた場合には間接止血で動脈を圧迫し止血する必要も出てくる。また、骨が折れて皮膚を突き破るような状態になっている(複雑骨折という)様な状態だとどこから手をつけるべきか素人にはどうしようもないような状況になってくる。こういった重傷の(ことによっては容易に命にかかわる)ケースについてはかなり複雑でデリケートになるのでここでは扱わない。応急処置の本などを参考にしてほしい。

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一方で、比較的軽い怪我であれば、自分で手当てができる。それも、きっちりこなせば病院にいく必要の無いレベルの手当てをすることができるだろう。

擦り傷、切り傷であればまず洗浄である。傷口からの感染を防ぐために洗浄することが必要だ。必ずしも消毒薬は必要ではないが、傷口を汚いまま放置すると大変危険である。洗浄すればガーゼ等で傷口を保護する。洗浄に使う水は清浄なものが必要だが、水の確保については他の記事で述べるが、傷の洗浄に使う場合は飲用ほど消毒剤の濃度に気を遣わなくてよいから、うがい薬を混ぜた水などで洗浄してもよい。(うがい薬が濃い場合、消毒薬的な意味も持つようになるだけである)

骨折や捻挫の場合は固定をしっかりすることが重要だ。骨折の場合は特に当て木をしてしっかりと固定する。まっすぐの棒などが無ければ週刊誌などでも代用できる。捻挫も固定することで苦痛を和らげ、行動を楽にできる。テーピングの方法を学んでおけば応用が利くのでそういったものに一目でいいから目を通しておくとよいだろう。

傷口の保護や固定などで包帯などを使うと思うが、意外と家庭に常備してあるような包帯は少ないし、無い場合もある。そうした場合に、買いに行くという選択肢は無いのであるが、とてもよい代用品がある。食品用ラップである。傷口を周りを含めてよく洗浄した後に巻けば包帯代わりになるとともに湿潤治療にもなって痛みが少ないし、当て木を固定するのにも十分な強度がある。

また、備えて購入するのであれば、さらし木綿をお勧めする。捻挫の固定にするのにちょうどよいし、包帯代わりともなるし、三角巾の代わりにもなるから腕をつったりもできる。また、そこそこ幅があり長さのある布であるから、手当てだけでなく様々な用途に用いることができる。

ここまで、応急の手当てについて述べたが、現代においてしっかりした設備と薬品による専門の医者による治療に勝るものはなく、今まで述べたすべての方法に中長期的なリスクが付きまとう(外傷であれば破傷風など、骨折ならば後遺症等)から可能な限り早期に医者の治療を受けられるようにするのが一番よいということはここで確認しておく。

あくまでも、応急処置は応急なのであり、専門の治療が望めないときに生命を守るために行うというのが大前提である。

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