隠れた保存食の実力者 : 氷砂糖の有用性

氷砂糖、というものがある。大きな結晶状態の砂糖であり、当然のことながら甘い。ただし、飴のような滑らかさはなく、結晶であるのでがっちりと硬く、またきれいに割れる。この氷砂糖は、果実酒やシロップを作るときに良く使われるが、そのほかに乾パンと一緒に袋に入れられていたり、または単品で菓子として販売されている場合もある。料理の材料や昔ながらのおやつという感じもする氷砂糖であるが、長らく非常食のお供に居続ける氷砂糖の実力を検証してみよう。

まずもって氷砂糖は甘い。これは非常時の食料にとって何よりも良い性質といえるだろう。非常事態ではまずもって体を良く使うためにカロリーを消費するし、また状況の把握のために頭脳も働かさねばならない。したがって糖質はかなり重要になってくる。中でも吸収が早いのはブドウ糖とショ糖(砂糖)である。氷砂糖は砂糖の結晶であるので吸収が早いのである。また甘いものは精神を和らげる効果がある。つまり非常時の心身を助ける甘いものを持っておくのは重要なのである。また、氷砂糖は砂糖であるがゆえに汎用性が高い。そのまま食べるだけでなく、紅茶やコーヒーに入れたり、その他料理の調味料としての使用も可能であり、甘味料として全般に使用可能だ。

次いで氷砂糖が有用であるのは、重量面で有利であるということだ。氷砂糖は結晶であり、ほぼ不純物は存在しない。甘いものということで見たとき、他の菓子類には水分などが含まれている場合が多く、その分有効にカロリーになる炭水化物は重量比で少なくなってしまうが、氷砂糖の場合はほぼ炭水化物100%のカロリーである。移動時に持ち歩く場合には重量は持ち運べる量に直結する場合が多いので重要になってくる。(ただし、カロリー量だけを考えると油脂の多い菓子類の方が有利になる。したがって前述の速効性の問題と天秤にかける必要がでてくる)

最後に、これが最も特徴的で、またかなりの利点であるが、保存性が大変に良いという点だ。砂糖には賞味期限がないということを知っているだろうか。砂糖(グラニュー糖・氷砂糖)はほとんど純粋なスクロース(ショ糖)であり、大変安定な物質である。もちろん水に薄めれば各種細菌により消費されてしまうし、湿気にさらされると良くないものの、きっちり封をされている状態では変質はほとんどなく、賞味期限をつける必要がないほど品質は保持され続けるのである。加えて、氷砂糖の場合にはその結晶の大きさから取り扱いが簡単で、例えば袋に小さな穴が開いても零れ落ちることがないなど、非常時に有利な性質を持っている。

氷砂糖は、昔ながらの単純な、しかしそれがゆえに安定で汎用性のある食品である。大量にあっても悪くなるものでなく、また使い道も様々あるので、気が向いたときにでも買い揃えておけば災害時でなくとも何かのときに役に立つだろう。なんといっても保存期間を気にしなくて良いので気軽に備蓄してもらいたい。

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簡単でより痛みの少ない湿潤療法

今回は怪我の治療について紹介したい。怪我と一言にいっても様々な種類があり、その対処の仕方を間違えると肉体に重大な損傷を引き起こし、命の危険も生じうるため、実践の際は自己責任において行っていただきたい

さて、サバイバル時、身体にいかなる傷も受けないでいられるということは考えにくい。災害などでは初期のうちに、また移動時などに受傷することも多く考えられる。その中でも一定以上の重症においては状況では処置する方法もないかもしれないが、ある程度なら応急処置を施され、その手法は救急救命などの講習で習うこともできる。一方で、擦り傷切り傷火傷等々、細かい傷は日常でも受傷することもあって、軽く扱われがちである。

しかし、擦り傷や火傷などが軽症であっても痛みは当然生じる。また確実に皮膚はダメージを受けており、その防御機能は低下するのである。サバイバル状況下で皮膚のダメージは危険である。各種感染症は傷口から入り、自然に存在する雑菌により敗血症などの重篤な症状に発展する場合もある。また最近の日本ではあまり聞かれなくなったが、条件によっては破傷風といった治療の難しい病気に感染する場合もあるのである。したがって皮膚の損傷は傷が浅い場合でも速やかに衛生的に治療されるべきである。
傷の手当、というと従来は消毒し乾燥という手順が主であった。泥汚れなどを洗い流し、その後消毒薬を塗り、乾燥させるというものである。いかにも細菌を退けて治るような感じであるが、現在最新の治療法はかなり異なるものになっている。その名も湿潤療法である。
湿潤療法は、その名の通りに傷を乾かさないことを大きな特徴とする。体の修復というのはつまり体細胞の培養に近しいもので本来湿潤状態で行われるものであり、傷に染み出る体液を保持することで傷の治りをサポートするという考えの治療法である。この方法の肝は、消毒をせず傷口の洗浄だけを注意して行い、傷を乾かさないというところである。
傷の手当の一番基本である傷口をきれいに洗うというところは今も昔も変わらないし、湿潤療法でも同じくそうであり、むしろ消毒薬を使わない分、より丁寧に行う必要があるといってもいい。しかし、その後の手当てはまったく異なる。今までであればガーゼと包帯を用いるところを、水を通さないフィルムをワセリンなどで貼り付けて、必要があればその上からずれないよう包帯を巻く程度である。これで、手当ては終わりである。最新という割りにかなりあっさりしたものだが、驚くほど効き目がある。
フィルムは専用のものがあり、またフィルムだけでなく専用の粘着するパットもあるが、実のところ不透水で清潔なら何でも良い。古代の事例を紐解けば、蜂蜜をつけた布の例もあったように思う。何を使おうとも、清潔で湿潤に保たれれば効果はある。昔から言われる傷につばをつけておけば治るというのは、湿潤に保つというこの原則を考えると実は正しいことをいっていたということになるかもしれない。
筆者の体験であるが、膝の擦り傷に対して洗浄した後にコンビニ袋を洗って使ったことがあるが、10分もしないうちに痛みは消え、数時間後には薄皮が張っていた。また、浅い切り傷にはワセリンだけでも効果があった。火傷にも効く。火傷を負った際にはキッチン用のラップを巻いたが、不快な痛みはほとんどすぐに消えて、巻いている間に痛みを感じることはなかった。ともかくも身近なもので簡単に行える、効果の高い方法である。
さて、湿潤療法のいいところを述べてきたが、しかしこの方法も万能ではない。この方法は空気に触れさせない方法であるから、空気を嫌う嫌気性の細菌を繁殖させてしまう可能性がある。また広い面積だと機能障害を起こす可能性もあるそうだ。すなわち、ひどく汚れてすでに感染が濃厚な傷、汚れの除去が困難な傷、深い傷、動物の咬み傷、広い傷(数平方センチ以上)などは湿潤療法の効果で悪化する可能性があり危険である。また、しびれが見られる、運動障害が見られる場合は神経や腱に障害が、出血が多量で直接圧迫での止血が見込めない場合は血管等に重大な損傷があると思われるので湿潤療法の及ぶところではない。日常ではかすり傷よりひどい怪我であれば医療機関での治療を受けるのが一番であろう。
ただし、そうは言ってもサバイバルには強力な味方である。汚れを除去でき、深い傷でなく、動物の咬み傷でない場合(つまり傷を覆うことで悪化する状態でない場合)では、ラップでぐるぐる巻きにするなどしてひとまず皮膚の代わりにでもして行動しなければならない。ひとまずの手当てとしてこれほどいいものはない。軽症には本当に便利なので基本は頭に入れておいていただきたい。

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マダニに咬まれたときの手当て - 病院に行けないときどうするか

小さく危険で厄介なマダニ、その最も重要な対処はまず咬まれないようにすることで、その方法については前回紹介した。しかし、不幸にも対策が及ばずに咬まれてしまったらどうしたらよいだろうか。

何の問題もなく文明圏に居れば医療機関に行き、医師の診察をうけるのがよいが、災害時・人里離れている時・その他サバイバル時には自分で対処するしかない。マダニへの対処は時間との勝負でもある。マダニは咬みつくとそのまましばらく張り付いて血を吸い続ける。そして、そのとき、直ちに処置しないと感染症の確率が高まるのである。したがって、速やかな受診が期待できないときは自力での処置が必要不可欠なのである。

処置の基本的なところは、マダニを除去することである。マダニが病原体(細菌やウイルス)を持っている場合、24時間もすればマダニが血を吸うために刺した針から体内へ病原体が侵入する。逆に言えば早期にマダニを除去できれば感染の可能性を減らすことが出来る。

ただし、除去には技術が必要である。精密につかむことが出来る先の細いピンセットを使い、マダニの針のなるべく近く、頭の部分をつかみ、まっすぐにゆっくりと引き上げなければならない。例えばマダニの腹をつぶしてしまうと、体液が針を通じて体内に入ってしまうし、まっすぐに丁寧に引き抜かなければ針が体内に残ってしまい、こうしたことが起きてしまうと感染の可能性が大きくなってしまうからである。

英語の解説であるが分かりやすい図解の動画があったので上に示しておく。手法を知っておけば道具を用意しておけば不測のときでも間違った対処をしなくてすむだろう。

また、専用の道具も開発・販売されている。きっちり備えられるならばその方が良いかもしれない。

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さて、マダニをきっちりと除去することが出来れば感染症の確率は大きく低下するが、不幸にもマダニに咬まれていることに気づくのに遅れてしまったり、対処に失敗してしまった場合で、感染症にかかってしまった場合、医療機関にかかるほかないだろうか。実は一つだけ方法がある。薬を摂取し細菌を撃滅する方法である。だが、これは日本では有効な薬が市販されていないこともあって一般的とは言えない。

薬自体は、医師に相談して処方してもらえることもあるかもしれないが、しかし有事の備えとして処方してもらうのは難しいだろう。確実に手に入れたい場合は個人輸入という手がある。これは奨励するには少し弊害もあるので、詳しい方法については紹介を避けるが、おおよそ検索すると出てくるので注意深く行って欲しい。マダニにが持つリケッチアやライム病、日本紅斑熱といった感染症に効く薬はテトラサイクリンやドキシサイクリンが代表例で挙げられるから、もし手間をかけてでも備えようとするならそれらの薬を探すと良いだろう。

マダニは動物が居るところなら大抵のところに居ると思ってよい。万が一のときに手遅れにならないよう、予防から治療まできっちりとした対策を頭にいれておけば、自分のみならず家族・友人の命も守ることが出来るだろう。