意外に重要な備え:目薬

災害・サバイバルへの備えとして挙げられる医薬品というと、外傷にそなえて消毒薬、他には痛み止めや風邪薬、また普段持病などで常用している薬といったところだが、意外と有用な薬は他にもある。目薬もその1つである。

災害時に危険なのは、落下物が主である。これは落ちてきて怪我をする、また落ちている物をふむなどをして怪我をする危険があるという点で、かなり危険であり、それの手当てに傷口の洗浄・消毒の準備として消毒薬などを準備するわけである。しかし、危険なのはそれだけではない。

落下物のほかに危険なものはいくつかあるが、特に地震のときを考えると、問題が大きいのは粉塵、そして地震に伴って起きがちな火災に伴う煙である。どちらも呼吸器と目にダメージが及ぶ点で厄介なものである。

粉塵は様々な物質・細菌が含まれており、目の表面が傷ついたり細菌感染などを起こして炎症を発生させる可能性がある。また煙は様々な酸やアルカリ、フェノール類などの人体に危険を及ぼす物質を多く含んでおり、長時間付着する状況ではかなりの危険が生じる。呼吸器に対するダメージは手近なハンカチなどで防ぐことも可能であるが、目は専用にかさばるゴーグルなどを用意しなければならない。

したがって、そのようなかさばる用意ができない、また不意でそういった装備をつけられない場合に、事後のケアができるようにする必要がある。そこで役立つのが目薬である。

目薬というと、一般的には目の疲れやドライアイへの対応用として効果が喧伝されるものが多いが、それだけではない。結膜炎などの感染症への効き目がある抗菌目薬というものがあり、災害・サバイバル用としてはこの抗菌目薬が適するだろう。粉塵を洗い流し、また感染を予防できるし、またただ目を洗浄する用途にも使えるから火災の煙を目から洗い流すのにもいいだろう。また抗菌目薬には大抵の場合、炎症を抑える成分も入っているので目が少し傷ついて炎症を起こすことがあっても見えないところまでひどくなるのを防ぐ効果も期待できる。

災害時、周囲の状況を把握し続けることはかなり重要である。そのとき重要な器官である目を活動可能に保つために目のメンテナンスにも気を配ることは重要なことであろう。ちょっとしたことであるが、目の不調はなかなか見過ごせない危険なのである。

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木と縄で作る罠

森の中で食料を得るとき、植物採集だけでは限界がある。もちろん豊かな環境に恵まれればそれだけで十分な場合もあるのであるが、それを期待するだけでは生き残ることはできない。

そういったときに動物を捕まえて食べるわけであるが、対象の動物や方法は様々ある。多くのサバイバル教本でまず触れるのは釣りである。簡単で、また資源が集中していて見つけやすいというのが理由であるが、何らかの理由で釣りができないときも食料を得る方法をいくつか知っておくべきだろう。

魚でない、陸上動物を狩猟するときに、それこそ原始人のように石と木の棒を持って追いかけ直接的に狩る方法もあるが、しかしながら、サバイバルではそういった体力の消耗はひかえたいところである。そこで、罠による猟が注目される。罠猟は、始めの構造をしっかり作れば長く緊張して動物を追いかけなくともよく、また複数の場所に仕掛けることもできる。

今回紹介する動画は、その罠のほとんどを木を切り出して作り出している。紹介されている3つの罠は基本的な構造を押さえているので、罠を覚えたいという人には参考になるだろう。

一応注意しておくと、日本国内では免許がなければ罠猟をすることはできない。また一般に紹介されるサバイバル用の罠は、免許があっても使用できない禁止されたものばかりなので、非常時に、本当に必要なときだけ緊急避難的に利用するようにしよう。

のどに物が詰まったときにどうするべきなのか

正月には餅を食べる機会が多い。方々で餅がふるまわれる。そして多くの誤嚥事故、つまり餅をのどにつめる事故が発生している。餅のシーズンはおおよそ過ぎていまさらだが、その対処法を記憶の薄れないうちに覚えておこう。また、餅だけでなく色々なものを誤嚥する可能性はあるから損にはならないと思う。

餅をのどにつめる事故があったとき、過去に家庭にあった掃除機を使って餅を吸出して難を逃れたという事例もあるが、そう都合よくそういったものが存在するかは分からない。また、軽度の場合ではそういった対処が悪化を招くこともある。

まず確認するべきことは、呼吸が少なからずできているかどうかである。完全に詰まっていない場合は自分で咳をするなどして排出できる可能性があり、異物を内部に押し込むリスクのある方法は避けるべきである。ヒューヒューと細くでも呼吸ができているのかどうか、また咳ができるかどうかを確認する。呼吸が完全に停止している場合には早急に異物を取り除く必要がある。可能であれば救急に連絡し、また直接異物をつかんで取り出したり、前述の掃除機で取り出すような方法を使ったり(ただし掃除機を使う方法は専用の器具を用意して置かないと極浅いところに異物がある場合でないと使えない)するという方法があるが、器具がなく、また見えるところに異物がなければ直接取り出す方法は使えない。他には特殊な姿勢で腹部を圧迫したり(ハイムリック法)横に寝かせて背中を叩いたりする方法(背部叩打法)があるが、きっちりと方法を習得していないと内臓をいためたり危険な場合があるから、有事の際に実践する気のある方は、救急救命の講座などをしているところに問い合わせてこういった方法の講習に参加すると良いだろう。

一方で、咳き込める状態であればそこまでの対処をせずとも回復できる場合もある。誤嚥などで気道に異物が入った場合などにおいては、咳をして排出できる健康状態であれば咳により排出しやすくする方法を取ったほうがリスクが少ないだろう。咳を遠慮なくできる状況にして、また咳により排出しやすい姿勢にする必要がある。個人差や誤嚥したものにより変化する可能性があり、個人的な経験で申し訳ないが、腰を曲げ、口をへそよりも低くすると幾分かは楽に出る。周りからは咳をして出すことを奨励してやるのがよいだろう。一般的に行われる、背中を叩いたり、水を飲ませたりする行為はより異物を内部に押し込む可能性や更なる窒息を招く可能性もあり避けるべきであろう。

さて、今まで物が詰まったあとの話をしてきたが、そもそもは予防のできるものであることを覚えておこう。食物の誤嚥であれば、よく噛み、ゆっくり飲み込むことで誤嚥する可能性はかなり低くなる。他にも非食物の飲み込み事故などは飲み込みそうなものを置かないなど気を配ることで予防できるだろう。老人や子供などは特にこういった事故を起こしやすい。予防に勝る対処はないのである。事後の対処をしっかりとしておき、また予防を心がけることで危険を確実に遠ざけることができるはずだ。