サバイバルに銅線

私のサバイバルバッグには銅線が入っている。銅線というと電気ケーブルのようなものもあるが、ここで言っているのは銅の針金のことである。金属製の針金はサバイバルでそこそこ使いでがある資材なのであるが、特に銅はその性質により使いよい部分がある。

まずもって各種金属の針金は、不燃性があり、また適度な可塑性と硬度による加工性がちょうどよく、各種の補修や固定に使われる。焚き火の関連で以前紹介したが、複数本の薪をまとめてスウェディッシュトーチ的なものをつくるときに針金でまとめたりすると便利よく扱える。また鍋を吊り下げたり、自転車のチェーンの補修、その他鎖類の一時的な補修、組み上げた木やパイプなどの固定等に針金は使いやすいものである。

また、銅の電気的な特性から、特殊な用途の修理にも使うことができる。銅は電気線によく使われることからも分かるように電気を通しやすい。すなわち電気製品の一時的補修にも利用可能であるということである。もちろん電気ケーブルとしての利用を前提として加工されたものでない場合には絶縁等の対策がされていないから危険も伴うが、非常時に、電気関連の知識がある人間が一時的に用いるために補修は出来るかもしれない。

そして、限定的ではあるが、化学的性質からも利用価値がある。銅イオンは殺菌性があり、水などに入れておくと防腐の効果がある。花を生けるときに水に銅片を入れておくと長持ちするという話があるがそれは銅の防腐効果によるものである。飲料に用いるには少しばかり不安があるが(大量に摂取すると中毒の危険もある)、ほんの少量であれば人体にも必要な元素であり、非常時に一時的に防腐のために用いるには問題ないだろう。(上限量は一日10mgで推奨量は1mg弱程度のようである)

他にも安価で扱いやすい金属線は鉄やニクロム、アルミなど色々あるが、それぞれの特性を知ればいろいろな利用法が出来る。自然からすぐさま得られるようなものではないので事前に準備する必要はあるが、あれば色々と便利であるので用意しておくと活動の幅が広がるのではないだろうか。

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サバイバルにコーヒーを一杯

サバイバル、というか、軍の糧食によくあることだが、粉末を溶かすタイプの飲み物がつく場合が多い。そしてそれは多くの場合コーヒーがついている物である。オレンジジュースだとか紅茶だとかもついているのであるが、コーヒーの率は大きいように思われる。

こういったドリンクの粉末類がつくのは軍での少ない楽しみである食事をより楽しくするためのものでもあるが、より切実な実用上の理由もある。すなわち、水の質が安定しないのである。もっと言えば、場所によっては水が耐えがたく不味い場合があるのである。きれいでおいしい水が出る場所を宿営地に選べる場合ばかりではないし、泥水でもすすらねばならないこともある。究極的なサバイバルを実施することを前提とする軍においてはそういったときも一定以上に士気(気力や意志)を保つために少しでもおいしく水分を取れるようにしたいのである。

コーヒーがよく選ばれるというのは強い香りと苦味、そしていくらかある酸味が水自体の味を大きく隠してくれるからであろうと思われる。もちろん良い水で作ったほうがおいしいのであるが、他の飲み物よりはコーヒーの方がごまかしが効くといったところであろうと思う。そしてそれ以外にもカフェインが含まれていて眠気覚ましと精神高揚の効果が見込まれることも実用上の利点としてあっただろう。他にもインスタントの粉末飲料として早期に開発されたという歴史的な要因もあるかもしれないが、それにしてもサバイバルによい利点があるのである。

インスタントコーヒーはどこでも手に入るというくらい入手性がよいし、個別包装であれば、サバイバル中に開封しても保存性はよい。価格も安価で揃えやすいので、装備に隙間があればいれておいてもいいだろう。非常時こそ心の余裕、精神の安定が重要になるシーンが出てくるだろう。コーヒーは嗜好品であるが、なかなか馬鹿に出来ないものなのである。

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非常用食品としての油

非常時には食料は貴重になってしまう。文明社会の中であたりまえのように流通の成果を享受しているときにはあまり思い浮かばないかもしれないが、身の回りの食料というものは特に人口密集地では存外に少ないものである。そんなわけで食料の備蓄が必要になるが、保存性がよく重量の少ない優秀な食料というのはさほど多くない。

保存性のよい食品としては専用の非常食のようなものがある。非常食として売られているものの多くは滅菌と包装によって食料を保つものであるが、どうしても高価になってしまうものであるし、そこから発展して調理したり工夫する余地の少ないものでもある。それで、日常のもので保存性のよいものを探すと、例えば米だとか小麦とかの穀類や乾麺などは常温で長期保存のきく、しかもそれなりにカロリーの高いものである。他にも砂糖や乾燥食品全般など、乾燥したものや精製されたものは長期で保存が可能である。

そういった見方をすると、油脂はかなり優秀な部類となる。油を食料というと少し違和感を感じるかもしれないが、揚げ物では衣などに多く含まれるし、炒め物などでしく油がカロリーを増やしていると目の敵にされているところからいうと、結構なカロリーを油から摂取しているのである。つまり油は高カロリー源である。そして、精製された油はかなり日持ちがするのである。

賞味期限を調べると、ごま油では2年前後、サラダ油・オリーブオイルも2年程度である。またラードは半年だが、固形では酸化しにくく、悪くなっても表面だけということもある様だ。ラードでは缶詰であるが60年以上経ったものが食用に足るとの検査結果が出たというはなしもある。油の劣化は基本的には酸化なので細菌繁殖による毒素はあまり心配要らない(ないわけではないけれど)からある程度安心できる。(まぁ酸敗でも体調を悪くすることはあるけれども)ぺミカンなんていう獣脂で固めて保存するという保存食もあるくらいであるし、オイル漬けも保存食としてあるから保存性はよいのである。

高カロリーで保存性も高いとなれば、まぁ、すこしばかり家に蓄えてもいいし、例えばチューブのラードくらいであれば非常用の持ち出し袋に入れておいても良いかもしれない。他の食料に米などいれておけば調理に使用することで味の幅が広がるし、重量比のカロリーは油脂に勝るものはないのであるから。

もちろん、通常時にはたくさん摂取すると健康上の問題も生じるから控えめにしておこう。が、一転サバイバルになれば油脂は良い友である。日ごろカロリーオフを言われていても、非常時では十分なカロリーの摂取が重要であるから、よいカロリー源である油はサバイバルの強い味方になるはずだ。

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