備える人々 - プレッパーズという人種

このsuvtechは地震や遭難といった、一時的な危機を生き延びることから、人類社会の滅亡後にも生き続けるところまで対応できる技術を求め考えている。社会の崩壊というと若干大げさに聞こえるかもしれないが、例えば冷戦時代だと核戦争による地球滅亡はありえる話として広く言われていたし、現在でも新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)などでの危機が言われている。

日常が終わるかもしれない可能性を聞いたとき、楽観的に考える人と悲観的に考える人に分かれるかと思う。おおよその人は今の日常が続くのだと楽観的に構えるだろう。

一方で、悲観的に、つまり、日常が崩壊することが実際にありうるのだと信じる人々もいる。そういった人々で、破滅の危機に際して、あきらめるのではなく、立ち向かうことで不安と絶望を克服しようとする人々が居る。そうした人々をあらわす言葉がプレッパーズ(preppers)である。

プレッパーズというのは備える人々、ということである。prepareする人々というわけだ。

彼らは食料を備蓄し、水を確保し、頑丈な家に住み、燃料・電気等エネルギーの調達手段を整備する。おおよそ日本にも見られる災害用品を集める人は、プレッパーと呼んでもよいかもしれない。災害の多い日本では3日くらいの備蓄はよくされているし、意識の高い人はより長期間自活できる物資と装備を整えているだろう。

一方で、熱心な人々は、ともすればやりすぎとも見れる備えをしている。2週間の食料なんてあたりまえ。食糧自給のために農園をつくることだってある。市販の備蓄食料はお金がかかるし何が入ってるか分からないから自分で作ってるって人も居る。水だって雨水を集めたり、井戸や川から水を汲み浄水するシステムを作ってたりする。発電機だって準備するし、薪を使って発電する装置を作る人も居る。そして、弓や罠なんかのハンティングの技術を習得し、また格闘技や銃器の扱いなんかも練習する。

こういった人々は本当にやりすぎか、というと実はそうでもない。人間の社会が真に崩壊したとき、実はこの程度の備えでは足りないくらいなのである。ここまでの準備をしても、施設・装備を失うリスクや略奪者の存在が生存を脅かす。実のところ、社会の庇護というのは大変大きく、考えれば考えるほど現代人は社会インフラと法の執行機関に守られていることが分かるのである。

だが、こういった行為が無駄なわけではない。おそらく、こういった備蓄をしている人の方が、そうでない人より長く生きられる可能性は高い。一部地域だけの大災害のとき、備えがあれば乗り切れることは多いし、世界滅亡的な状況であればなおさら重要になってくる。何もしないよりは断然よい。そして、最後には備えることを通して得た知識がプレッパーズの命を守るはずである。

プレッパーズは災害などの各種の危機の不安に対抗しようとする人々だ。平和を求めるなら戦いに備えよ、と古代ローマの言葉にもある。テレビ番組に取上げられる人々のように入れ込まなくてもいいから、少しくらいは備えてみてはどうだろう。

 

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DVDはかなり入れ込んでいるプレッパーズのケースを紹介している。が、大体の場合は足りない部分を多く指摘されている。それほど最悪のケースへの対策は難しい。だが、ある種の部分で極めている人々の話なので参考になる部分は多い。(DVDは日本語版が見当たらない。映像機器に詳しくない人は再生すらできない可能性があるので注意されたし)

地震の後10分でするべきこと

地震の揺れが収まって無事だったとき、やれやれと終わらせることはできない。生命・財産を守るためにやらなければならないことが数多くある。大きく分けると被害拡大の防止と情報の収集である。

火の始末をして火を出さない

まず第一に火の元の確認である。ガスコンロやストーブの火の始末などは基本であろう。今では多くの機器で自動停止機能があったり、ガスの供給がストップしたりするシステムが発達しているが、停止機能の故障や、自動停止するほどの揺れでなくても落下物に引火、もしくは発火するような状態になっていないかも確認しなければならない。また、ガス供給の停止があった場合はコンロの火は消えるがガスは出る状態になっているから、コンロのつまみは消火の位置にし、元栓も閉めるようにした方がよいだろう。

電気製品も火災の原因に

次には電気の確認である。電気ストーブやコタツ、電気コンロなどの電熱器具は火災の原因となるから停止、および周囲の確認をするべきであるし、他の電化製品も破壊されてしまっているものは火災の原因となりうるから、そういったもののコンセントを引き抜き通電しない状態にする。また、落下物がコードを傷めてショートするなどのことも考えられるから、全体の被害を確認するのがよいだろう。一番手っ取り早くて確実なのはおおもとのブレーカーを落とすことである。ショートによる火災は気づき難いが通電していなければ発生しないからブレーカーを落としてから確認しておきたい。また、停電時でも、後に回復した際に火災が発生した事例もあるから、ブレーカーを停止しておきたいところだ。

正しい情報が身を守る

被害拡大の可能性を排除したら、次は情報収集である。といっても、停電の状況を想定するならラジオでの情報収集が主になるから情報収集しつつ他の作業も可能であろう。情報収集の重要な点は、津波の有無を知ることと、周囲の被害の大きさを知ることである。

津波の可能性があればとるものとりあえず高台に避難する必要がある。到達時間によっては救助活動ができるかもしれないが、津波のことを知らない、もしくは余裕がないのに救助等をしていては二次被害の原因となる。津波の可能性があればできうる限り迅速に避難しよう。

また、周囲の被害の大きさで救助や避難の仕方も変わってくる。被害範囲が広く、被害甚大である場合には、レスキューの到達や病院での治療に期待することが難しくなってくる。比較的狭い範囲であった阪神淡路の震災のときでも周囲の人の救助が大半であったが、より広く、大量の人が被災した場合、より難しい状況でもその場の人間が対処しなくてはならないから、専門家でなくともありあわせの知識で救命を行う必要があるだろう。狭い範囲の被災であれば、レスキューの手も十分に足り、医療機関も素早く対応できるであろうから、難しい要救助者は専門家に任せることができる。

少しでも早く行動して安全を確保することが重要

揺れの直後はひとまず安心してしまうが、貴重な数分を無駄にしないようにしよう。即座の行動と正しい方針の決定が生死を分けることになるのである。

地震に合って10秒でするべきこと

まずは身の安全が第一

地震が起きたとき、一番に優先するべきことは身の安全の確保である。突如大きな揺れに襲われた場合にできることはわずかしかない。身の回りのものを使い、まずは自身の安全を確保するべきである。特に守るべきは頭部で、頭に落下物を受けて気を失うなどがないようにしよう。

寝ているときならば枕や布団で防御し、机があれば机の下、机が入りにくいなら椅子やクッション、キッチンでは御盆や空の鍋、風呂では桶等、その場その場の丈夫なもの、クッションになるものを利用しよう。

前兆現象・アラーム等で早めの行動を

突然に大きな揺れに襲われた場合には身を守ることに専念した方がよいが、場合によってはゆれる前に準備することもできる。地震動は大きく2つに分けられ、大きな揺れの前に初期微動と呼ばれる小さな揺れが感じられることがある。この前兆現象を感じてある程度の事前行動を行える。また、現在では地震の前兆を察知して警告するシステムも多く存在するのでそのアラームを聞いて行動することも可能だ。

事前に行動できるといっても、その時間は数秒や長くても十数秒くらいと思った方がよいだろう。その間にできることはずいぶんと限られるが、それでもいくつかやっておきたい重要なことがある。

扉や窓は揺れで開かなくなることも

まずは扉や窓、何でもよいから脱出口となるところを開けておくことである。大きな揺れが起きた場合には扉や窓の枠がゆがみ、開かなくなることがある。そういった場合に外に出るのは大変に手間がかかる。地震後に十分に時間が取れる場合にはさほど問題にはならないかもしれないが、隣家・隣室から出火したり、今まさに居る建物が倒壊しそうなときには一刻の猶予もない。すばやく脱出できるようにできる限り脱出口の確保をしておきたい。

非常用持ち出し袋は確保したい!けど持ち出すことをこだわり過ぎてはダメ

また、余裕があれば身の回り品、非常用の持ち出し用品の確保も合わせて行いたい。メガネや常飲している薬を準備しておくことはもとより、車の鍵や倉庫の鍵などがあれば回収しておきたい。非常用の持ち出し袋などは、余裕がなければ置いて出る覚悟も必要である。余裕があればもっていた方がよいことは確かであるが、まずは身の安全が第一である。大きな揺れの前に気づくことができたらこれらのものもなるべく確保しておきたい。

そのときどうするか イメージトレーニングをしておこう

地震のときは一瞬一瞬が貴重である。揺れがおきたとき、優先順位を確りと決めて想定しておけば貴重な数秒にすばやく行動することができる。様々な場所での緊急時の行動を想定し、心の準備をしておくことが生死を分ける判断を正しくするための一番の方法になるだろう。