斧を研ぐ

野外活動では頼もしい道具である刃物類であるが、その鋭い刃も使うたびに痛んでゆく。特に野外活動では木を切るなどすることが多く、また土や石に当てることもあるから刃の鈍りと痛みは早い。

もちろんそういった劣化は厚く重い斧であっても逃れられるものではない。いくら頑丈に作られようとも鋭い刃をもつ道具である以上、刃先の劣化が生ずる。刃の劣化は作業効率の低下が問題となるだけではなく、安全上の問題も引き起こすことがあるため早めに対策をしてやらなくてはならない。刃の鈍ると木に食い込み難くなるため、斧が跳ね返って怪我をする原因にもなりうるのである。

したがって早め早めに刃先を砥いでやることが必要である。

刃を研ぐのは基本的には家庭にある(かどうかは分からないが)砥石で十分である。一般的に砥石として売られている水砥石でよい。わざわざ水砥石というのは海外では油をつかう砥石も多くあるからである。日本では砥石といえばわざわざ言わずとも水をつかうものであるから砥石として一般的に売られている物を使えばよいだろう。海外では日本の砥石は、Japanise Waterstoneと呼ばれ、よく見るようになって来た。

砥石は水に浸してから利用する。包丁やナイフであれば大抵のイメージにある様に前後に滑らせて研ぐ。この際のテクニックも色々あるが今はおいておくとして、斧の場合は違ったとぎ方をする。

斧の刃はコンベックスと呼ばれる形をしている日本語ではハマグリ刃と呼ばれるこれは、少し膨らんだ形をしていて、刃先が直線になっていない。これにより斧の刃は折れたり欠けたりしにくくなっている。研ぐときはこれを壊さないように、まずは円を描くようにして研ぐ。その後刃先を整えるように刃を当てて弧を描くように研いで行く。

砥石は中砥と言われる石で研いだ後、仕上砥と呼ばれるより細かい目の砥石で研ぐと鋭く仕上がる。しかし、こだわらないなら中砥で注意深く研げば十分に実用になる鋭さで研ぐことは可能である。

木を瓦礫をガラスをつかむ - 手袋を備えよう

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災害時、様々なものが壊れる。また、様々なものを移動する必要に駆られるであろう。

家の中では家具が壊れたり食器が散乱することもあるだろう。家の外ではブロック塀が倒れたり植木鉢などが割れたりもするかもしれない。不幸にも家が倒壊してしまえば人命救助や物資の発掘で瓦礫を除去する必要もある。

そういったときに一番使うものは「手」である。瓦礫も、コンクリートブロックも割れた食器も手でつかんで撤去する。人間の手は細かく作業でき、非常に強力な道具としてみる事ができます。災害時などは人手での作業の頻度は大きく上がります。

しかし、一方で素手での作業は怪我の危険も増大します。割れた食器で手を切ったり、瓦礫の釘や棘が刺さったり、また、ブロックなどを多く運べば皮膚がすりむけたりする。不衛生なもので傷が付いたり、傷の付いた手で不衛生なものを触るなどすると感染症の恐れもあるのである。

したがって手の保護が必要だ。作業時の手の保護といえば手袋である。作業用の手袋といえばたいていの人は軍手をイメージし、それを準備するかもしれない。だが軍手では不十分だ

軍手は編み物であり、編み目は大きい。つまるところ、軍手は棘や釘、またとがったガラスや陶片などは防ぐことができない。また、一番シンプルな軍手は滑り止めもなく持ち運びの作業についても効率がよいとはいえない。そして、木綿糸で作られる軍手はブロックやレンガなどの擦れる素材には若干弱く、耐久性に難がある。

軍手でもないよりはましだが、どうせ備えるならばよいものを揃えよう。今では手のひらの部分に丈夫なゴムを張った手袋が安価で売られている。また皮手袋もさほど高いものではない。素材としてはゴム張りのものは熱に弱いので、火を扱う予定があればゴムのものだけでなく皮手袋や耐火手袋などを用意するとよい。

手袋は日常の作業も快適にしてくれる。一度軍手からゴム張りの手袋に変えると、庭仕事などの作業ではもう軍手にはもどせないほどである。使った後の収納を非常用持ち出し袋などにすれば非常時の備えと同時に日常を少しだけ快適にできるのではないだろうか。

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斧を基本から学ぶ4 - 切って加工する

斧は木を切る道具で、たいていは勢いをつけて振り下ろして使う。そのため、斧の刃は木に打ち込まれるために頑丈である。また、一方で斧はもったことのない人がイメージするよりもよほど鋭い刃をもっている。斧は刃の重みだけで木を切っているわけではないのである。

それゆえ、斧はナイフ的な利用法をすることもできる。よく研がれた斧は木を効率よく削ることができ、ナイフの代わりに木材の加工をすることも可能なのである。また、斧はその重量ゆえに大きく加工するときには勢いをつけて切断することもできる。例えば器や何かの取っ手を加工するときに大まかな形を削りだす際にはナイフよりも効率がいい。

あまり大振りすぎる斧では細かな作業、加工はやりづらいが、サバイバルを想定した、バックパックに入る程度の斧であれば十分に様々な加工に使用できる優秀な工具となるだろう。