松脂を集める

松脂(pine resin)は松の木から採れる樹脂である。大なり小なり木というものは樹脂を含んでいるのであるが、特に松は樹脂成分を多く含み油の多い木として知られている。

この樹脂は揮発性のあるテレビン油と天然樹脂であるロジンを主成分としているが、これらは加熱すると柔らかくなり、温度によっては液状となり、冷えるとまた固まるので接着剤として使用できる。また、点火すると良く燃えるので燃料としての使用もできる。

この松脂はもちろん松の木から得られるのであるが、その方法は木を傷つけるものである。ゴムの木からゴムをとるのと同じように、木に溝を切り込み、そこから流れ出る樹脂を取るのである。

しかし、一方で、自然に松が傷つくこともある。その場合、樹脂が流れ出て、その揮発成分が蒸発した少し硬いかさぶたのようになっている樹脂を採集することになる。こういった手法は自然の木を積極的に傷つけることがないのでそうした採取をする人も多い。

こうして得た松脂は加熱して精製したり、他の材料を混合したりして様々なことに使われるのである。

手軽に持ち運べる簡易シェルター - ツェルト

シェルターというものは体を周囲の環境から保護するものである。しっかりとしたものであれば山小屋といった家屋や設備であり、もう少し簡便になるとキャンプでよく使われるような山型やドーム型のテントであったりする。また、サバイバルシートや自然物を使って造ることもある。

しかし、行動中に不慮の事態で休息が必要になったときに行うビバーク時には、しっかりとしたテントは軽装で行動している際には荷物として大きすぎるし、自然物やシート等を使ってシェルターを作るのは時間と労力がかかりすぎるのでいささか適するものではない。

そういった場合に便利であるのがツェルトである。ツェルトはビバークテントなどとも呼ばれることがあるが、簡易小型軽量のテントのようなものである。

アライテント(ARAI TENT) スーパーライト・ツェルト1 1~2人用 34224048

新品価格
¥9,345から
(2013/7/5 21:59時点)

防水加工された軽量の生地がたいていはテントとして利用できるような形に縫製されており、内部に入ってビバークすることができる。テントと比べると結露しやすく、また小さいので快適性能では断然劣るが、夜露と風と外気を一定の程度やり過ごすことができる。

ツェルトは軽量で小型であることが求められるものなので、たいていは通常のテントのセットに含まれるような自立用のポールなどが付属していない。したがって立ち木にロープを張ったり、木の枝を立てたりして、テントのように設営する必要がある。が、そうした軽量化により、少しの不便はあるが簡素なものであれば200g程度の重量で非常時用に常時持ち歩くのに適したつくりになっている。

また、テントとして設営せずともある程度の防護性能は発揮する。かぶったり身に巻いたりするだけで、風雨から守られ、衣類としてみると一層増えるので防寒効果も見込めるからである。また、かぶって使うことを基本に考えられたものもあり、そういったものはさらにもまして小型軽量である。

苛酷な環境に放り込まれたときにシェルターが得られるかどうかは生死を左右する問題である。登山はもとより、非常用の準備をするときに一段上の装備を整えようと思う方はツェルトを含めることも検討してはどうだろうか。

簡素な道具でナイフを作る

サバイバルに重要な道具の一つがナイフである。ナイフがあれば木の加工をしたり、蔓性の植物を採取したりが容易になり、また魚などを捕まえたときでも調理ができるなど、サバイバルシチュエーションで大変に有用な道具である。

だが、様々な理由からナイフを携帯できないということがある。またもっていたとしても失ってしまう事だってある。

そういうときにナイフをどこからか調達したいものだが、金属製の刃物製品がどこにでも転がっているわけではない。したがって刃物を得ようとするならば、周囲になければ作る必要が出てくる。

実のところ、金属の加工というものは、品質を問わなければさほど難しいものではない。十分に熱することができれば叩いて変形することが容易になり、そうなればあとは望む形に形成する根気だけでも何とかなるものである。なので、ある程度大きな金属の塊が手に入ればナイフを作ることができる。

動画では打ち上げられた廃船から太い釘を取って、それを打ってナイフを作っている。釘を熱する火は焚き火程度のものである。また、金床として使っているのはただの岩である。また、金属製のペンチでつかみ、斧の背で打っているが、これも実はやろうと思えば木のトングと石のハンマーで代用することができる。

そうして形を作ったナイフを荒めの石で砥ぎ、その後もっと細かい目の石で砥いで刃を付けると完成である。焼入れをしていない(というか、金属の組成が焼入れができるかもわからない)ので少しばかり柔らかい刃であるが木を削いでいくことができるくらいに実用的な刃が得られる。

どんな状況でもそれを得ようとする意志と根気があれば工夫を凝らしてどうにかできるようになるものだ。ないものは作るくらいの勢いで何事もこなしたいものである。