次亜塩素酸浄水剤の使い方

前回において次亜塩素酸を浄水に使うと紹介した。浄水剤は殺菌等を行い、水を安全にするが、それゆえに高濃度だと人体に影響を及ぼす可能性があるし、なにより浄水に必要な量以上を消費するのは物資の無駄遣い以上の何ものでもない。

したがって、適切な量でもって浄水をする必要がある。

ケンミックス4において、水に使用する場合には20Lに対し約1滴としている。ミルトンはケンミックス4と比べるとおおよそ4分の1の濃度であるので、5Lに対し1滴程度でよいと思われる。まったくもって少ない量で結構な量の水を処理できるのである。

しかしながら、これは井戸水などの比較的澄んだ良い水での分量であって、有機物を多く含む水を処理する場合には、その分解のために有効塩素が消費されてしまうため、より多くの薬剤が必要となる。これにより追加しなければならない塩素量の特定は、専用の機材がなければ難しい。よって適当にあたりをつけて勘にたより薬剤を追加する必要がある。

実のところ、水道の基準で塩素の上限が定められていないそうである。よって、不安な場合は結構な量入れてもいいだろう(ただし、味は悪くなる)。濃度的には1000倍の濃度で野菜の消毒に使われる消毒液となる濃度なのでそこまでいくとさすがに飲めないだろう思われる(口に含んだことがあるが、口内がピリピリする感覚がある)。おおよそ10倍くらい(ケンミックスで言えば2Lで1滴)なら水道でも見られる濃度であるから(ただし、やはり味は悪い)、それくらいなら許容可能である。

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大量の生活水をどのように確保するのか

飲料水は最高のレベルの浄水が必要とされる。これは、浄水器を用ればよい。もしそれがかなわなければ煮沸する等して安全な水を得る必要がある。飲料水の必要量は多いとはいえ、それなりに限定されるのでこの程度の労力は安全のためということで認められよう。

一方で、衛生用の水(洗顔や体を洗う、歯を磨く等)、食器や食材の洗浄用の水はいちいち浄水器を用いていては、浄水器のろ過上限にあっという間に達してしまう。また、すべてを煮沸消毒することはかなわない。であるけれども、これらの水の安全も軽視できるものではない。こういった用途に使う水は身体に直接触れ、場合によっては口に入るし、粘膜との接触もするからだ。

飲料水よりも圧倒的に多いこれらの水を効率よく消毒するためには、現代の水道システムから学ぶのがよい。すなわち浄水剤の添加によって水中の細菌等を死滅させる方法をとる。

まず、濁りの少ないきれいな水を得て、大きなごみや簡単にろ過可能な汚れは布を重ねたフィルター等の手作りで簡易にできるろ過器により取り除く。こうしてできた大きな汚れの無い水に対して、浄水剤を添加することにより細菌の死滅をはかり消毒する。

このとき使う浄水剤は色々と考えられる。銀を含む上等な浄水剤があるが、これは飲料水用レベルの高品質のもので高価である。また、一部の浄水器において、フィルターの能力が低いゆえに浄水剤が付属するものがあったりするのだが、これに添加されていたのは次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)である。また、うがい薬として使用されるヨードにも殺菌の作用があり、浄水剤として使用されることがある。これはまた、傷の消毒にも有用だ。

ここで、一番浄水にポピュラーで大量に使用されており、しかも手に入れるのが容易な薬剤としては、次亜塩素酸ナトリウムであろう。水道に添加される塩素は、ほぼこれである。

次亜塩素酸ナトリウムは有機物と反応し、これを破壊(酸化)する。そして、役目を終えると塩化ナトリウム、すなわち食塩に変化する。この安全さ(つまり中毒しない)もあり、水道への利用がされている。塩素系漂白剤に入っているのも大体これである。このように次亜塩素酸は(トリハロメタンだの色々言われることはあるが)安全に浄水することができる身近な薬剤である。

しかし、実は次亜塩素酸のみの製品はそんなに多くない。塩素系漂白剤は次亜塩素酸が主成分であるが、洗浄・漂白効果を高めるために他の物質が入っている。特に次亜塩素酸の安定のために入っている水酸化ナトリウムは濃度が高いと身体へのダメージが大きい。よって、純粋な次亜塩素酸を手に入れる必要がある。水道添加用の次亜塩素酸も売りに出されているが気軽に購入できるものではない(ドラッグストア等に無かったりする)。

が、実は代用として利用できる次亜塩素酸の製品は実は大々的にテレビCMをしながら売られていたりするのである。ミルトンである。

ミルトンの成分を見てみると「次亜塩素酸ナトリウム 1.1 w/v% 添加物としてpH調整剤を含む」と書いてある。この成分の少なさ。これが赤ん坊の口に入る可能性のある消毒薬の安全性の根拠となっているのである。これをつかえば、ほぼ問題なく生活用水を消毒できるはずである。(必要以上に濃度が高いとよろしくないし薬剤の無駄遣いとなる。濃度については後日論ずる)

ただし、飲料水に対しての処理は不安が残るので可能な限りは浄水器なり、専用の浄水剤を使おう。

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心に火をともせ – ファイヤースチール

火は熱と光を我々に与えてくれる。大きな炎は暴力的な力を持つが、小さく制御された火は我々に安心感をもたらすすばらしいものである。

サバイバル環境下において、火の確保というのは重要なことのひとつに挙げられる。夜間の照明、暖房のために必要とされるのはもちろんのこと、缶詰食であっても温めれば温かい食事が気分の低下を防いでくれる。また、水の煮沸消毒ができるし、お茶やコーヒーを淹れることだってできるだろう。

なんにせよ、火がおこせる状態を持っておくと、対応できる状況を増やせる。着火具のひとつは持っておくべきだろう。手軽で身近な着火具というと、ライターが思い起こされるが、サバイバルを考える場合にはライターではない着火具も持っていたほうがよい。

ライターは大変優秀な着火具であるが、たとえばオイルライターは頻繁にオイル切れが起こりうるし、ガスライターは長時間着火していると故障しガス漏れ等が起きる場合がある。ガスライターにおいては衝撃による破損もありうる。こういった場合に一気に機能を喪失してしまうのがライター類であり、サバイバル用品の類であまりもてはやされない理由でもある。

サバイバル状況下においては使用回数、耐久度が大きく少々手荒に扱っても機能喪失しないというのが重要となる。その第一選択となるのがファイヤースターターと呼ばれたりファイヤースチールと呼ばれたりするものだ。

このファイヤースチールでもっとも有名だと思われるのが、LIGHT MY FIRE(ライトマイファイヤー) ファイヤースチールである。鉄の棒のような部分を付属のプレートでこすると激しい火花が飛び、それを燃えやすいものに飛ばして着火するというものである。

使用するのに多少の訓練が必要であるが、ある程度慣れると着火の準備を十分にすればほぼ確実に火をおこせるようになる。これをベテランが使うと雨の中でも焚き火を開始してしまう。また耐久度も優秀でちょっとしたことでは壊れないし通常使用では毎日使っても1年くらいは余裕で使えるようである。また、無理な力がかかると棒の部分が折れることもあるそうだが(私は経験したことが無いが)、その場合でも、こすれば火花は出るから、火がつけられなくなることはない。

タフで優秀なサバイバルの象徴のような装備である。ひとつは持っておきたい。

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